マガジンのカバー画像

明治 近代文学 名著復刻版

38
1868〜1912(明治元年〜明治45年)
運営しているクリエイター

#おうち時間を楽しむ

武蔵野

国木田独歩 30歳。 現在の文庫本(写真右)とぴったり同じサイズ。 これまで紹介してきた復刻本はすべて「武蔵野」より大きかったので、思わず写真を撮ってしまいました。 ・・・ 表紙の絵は友人の「岡落葉(おからくよう)」。 ・・・ 武蔵野の自然や風景美について書かれています。 当時の武蔵野は雑木林。ちなみに渋谷も含まれていたそうです。 ・・・ 13ページには中野、渋谷、世田ヶ谷、小金井。 独歩自身、渋谷に住んでいたとか。今のNHKあたり。 ・・・ 最初の行に「溝

不如帰

徳冨蘆花 32歳。 主人公浪子の不幸な生涯。徳冨蘆花夫妻が実際に聞いた話をもとにして書かれたもの。 浪子さんの悲しそうな表情。 口絵は黒田清輝。 ・・・ 日清戦争、嫁ぎ先での苦労、結核、離縁、文明開花後の価値観の違い。 ・・・ 当時、有名になった言葉だそうです。 ・・・ 著者の名前が見当たりません。WHY.. オレンジのページには何ページにもわたり本の紹介がされています。 家庭叢書 簡易料理ということは時短?😀 平民叢書には「十九世紀の大勢」という本が品切にな

八十日間世界一周 (前編、後編) 

川島忠之助 25歳、自費出版。 日本ではじめてのフランス文学翻訳者。 ジュール・ヴェルヌの「八十日間世界一周」。 ほかに「十五少年漂流記」など。 ちなみに村上春樹が小学生の頃、ヴェルヌの本に夢中になっていたそうです。 ・・・ この本を初めてみたとき、とてもセンスがいいと感じました。 外見だけではなく、紙質が上質で字体もデザインもどことなく上品。 表紙の色はさわやかなブルーグリーン。 しかも前篇が濃いめ、後篇のほうは少し薄め。少しずれた色合いなので並べるとますます素敵