子の記憶

 
 空き地は日だまりをつくり
 すべてはくまなく記録され
 わたしは声を聴いていた
 下草におおわれた底から笑いかける
 かつて子どもだったもの
 子どもにもなれなかったもの
 交合するざわめきのただなかにあって
 土は青く照り返っている
 過ぎていくものの誠実さをひととき
 あきらかにして


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