懐かしい影


 向かいの席で詩集をよんでいたひとが
 ふと顔をあげ
 かすかにほほえんでからまたうつむく
 次の駅でいなくなってからも
 ほほえみは残る
 その影はわたしのうちに残り
 わたしは影でしかないのかもしれない


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