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[読書]時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。

相撲・音楽ライターの和田静香さんが国会議員・小川淳也に取材し政治の疑問をぶつけるという本。

政治について語った本は数あれど、大抵は専門用語が飛び交い知ってて当たり前という体で語られる部分が大多数の中、本書は政治のことを全く知らないという和田静香さんがわからないことをわからないまま質問し、返ってきた返事に憤ったり、納得したりというスタイルで描かれている。
タイトルの通り「時給はいつも最低賃金なのに納得がいかない」というところから政治の話に発展していくため、普段政治にあまり興味のない自分のような人間からするとこれほど読みやすい本はない。さらっと読めてしまった。

最近、選挙権は18歳から与えられるようになったけど、学校教育で現在の政治のあり方について教えてくれる授業もないため10代の子供たちにはちょうどいいテキストになっているのではないかと思う。

取材協力をしている小川淳也議員は2019年に統計不正問題を国会で追及して話題になった人である。

その後、小川淳也議員を17年間に渡り取材した映像を編集したドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」が公開されヒットした。

「政治は勝った51がどれだけ残りの49を背負えるかなんです」と語る小川淳也議員のこれまでの活動がよくわかる映画だが、当然政治家は一人一人考えていることも違うし、小川淳也さんの考えが全て正解というわけでもないし、今の政治がその通りに動いているわけでもない。

本書は、映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」を観た和田静香さんが小川淳也議員に感銘を受けてインタビューしたいと思ったところからスタートしているため本を読んでみると小川淳也さんの応援本のように思われる人もいるかもしれない。
しかし、これほど読みやすい政治の本もないと思う。
共感できなければ共感できないで構わないし、そういう方は別の意見を同じくする議員さんや政党に一票を投じれば良いだけなのでこの本や映画が広告だと非難される謂れもない。

僕も映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」を観て、「政治は勝った51がどれだけ残りの49を背負えるかなんです」という小川淳也さんの言葉に感動したし、自分に反対する国民を指差して「あの人たちに負けない」と豪語する元首相に比べたらよっぽど立派に思えるけれど小川淳也さんの行動にもあれ?と思う瞬間はあるし、著者の和田静香さんの意見に関しても同じだ。

本というのは読んで感動するだけでなくその後に考えることが大事なのだ。


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