農業という職業の過酷さを思い知った
こんにちは!梅雨でじめじめとしてきましたね。
人にとっても嫌な季節ですが、農作物にとっても嫌な季節です。
そしてだいぶ久しぶりにnoteを開くことになってしまいました。汗
私の現状としては我が家の経営の柱のシャクヤクのシーズンが終わり、次のトルコキキョウの作業に追われています。今年からトルコキキョウという花の栽培を始めたので日々是勉強と奮闘しております。あと一か月ほどで収穫というところです。
さて今回はシャクヤクのシーズンが終わって農家の「リスク」というものについて考えさせられたので書いていこうと思います。
暖冬からのスタート
昨年の冬は暖冬傾向ということで雪が少ない=水分が少ないのでシャクヤクの生育に影響があるかな?というスタートでした。シャクヤクは一定の寒さにあたる必要があるためその分例年よりも動き出しが2週間ほど遅くなりました。スケジュールが後ろにずれるということは、そのぶん間が詰まってしまうため作業が忙しくなるということになります。
また、今までの経験上暖冬の場合は他産地との出荷のタイミングが重なりやすく市場価格が下がる傾向にあるため、今年の価格は苦戦するかもしれないと考えていました。
結果として4月の気温が思いのほか低く、また、2月上旬に多少まとまった降雪があったため今年の生育は結果として順調に進みました。暖冬の傾向は今後も続くと予想されるので暖冬の場合の市場価格への対策を考える必要があります。
暖冬というのはシャクヤク農家にとってはリスクではありますが、リスクとしてすでに見えていること、対応する余地があるということで比較的リスクとしては中程度というところでしょうか。
コロナ半端ない
そして時間が進むにつれてコロナの影響がどんどん強く厳しいものとなっていきました。3~4月は歓送迎会、イベントの開催が多く花の需要が1年の中で最も高まるシーズン。コロナによってその需要がすべて吹っ飛んでしまいました。
シャクヤクは通年ではなく、収穫できるシーズンが限られるので1年の収入の大半が4~5月に集中するわけです。この時期にコロナによって花の需要がなくなってしまったのはシャクヤク農家としてはかなりダメージが大きかったです。イベントがないので需要もないということで市場も買い控えたことで価格も暴落。4月は例年の半額程度の値段となってしまいました…
花は嗜好品中の嗜好品。今買わなくても生きていけるもの。
花農家としてこの部分は変えられない事実。
コロナの影響でこの事実と今後どうやって向き合っていくか、大きな宿題をもらったと思います。
それにしても農業に限りませんが、コロナウィルスのように全世界へ影響を及ぼす状況は経営においてとんでもないリスクであり、また予知できないリスクです。うちはまだ家族経営なのでなんとかなりましたが、人を雇っていたと考えると恐ろしいです。このようなリスクも「起こりうる」という意識を常に持ち、いざとなった時に対応できる状態にしておくことが必要だと感じました。
今回のコロナ禍によって、法人化ということについてももう少しじっくり考えてみてもいいかもしれないと思いました。
今度は霜かよ
さらに追い打ちをかけたのが霜、凍霜害です。4月末、5月頭にかけて何度か冷え込む日がありました。
5月上旬くらいから露地ものの生育があまりよくないと感じつつ、収穫期になると明らかに出来が良くない。これは霜の影響を受けているなと。露地ものは例年の5~6割ぐらいの出来だったでしょうか?私の近隣でも霜の被害が大きく管内の被害額としてもかなり大きかったとのこと。
私が就農してからは凍霜害でここまでひどい被害にあったことはありませんでしたが、よりによってコロナ禍とのダブルパンチを受けるとは。
凍霜害についてもある程度事前にわかるリスクではあるので、今後何かしらの対策が必須と思います。
経験値がとんでもなく上がった
今回、コロナ禍や気候のリスクを受け、経営に大きなダメージを受けました。本当に過酷な業種だと痛感しました。
しかし悪いことだけでなく、昨年から始めた直売事業の売り上げが増えたりコロナ禍によって逆に新たな取引が出来たりといい面もありました。
なによりも農業経営者としての経験値がとてつもなく上がったこと。これは間違いなくでかい。今年学んでいることを来シーズンからの経営にぜひとも生かしていきたいと思います。
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