上手くプロットを書くための具体的な方法<小説・脚本書き方プロット講座③>
福岡で「作家塾」という小さな小説・脚本講座を14年以上、運営していく中で「プロット」を重視したおかげで多くの実績が出ましたというお話の第3回目。
今回は、プロット(物語のあらすじ)の書き方について具体的に説明します。
・文字数は800字程度に
プロットの文字数は800字程度にしましょう。
800字にする事で無駄な表現が省かれ、物語の構成が見えやすくなります。
・きちんとオチまで書く
プロットはオチまで書きましょう。
オチとは、作者が物語で言いたかった事を示す箇所であり、作者が出す結論です。オチの書き方で作家としての力量が問われます。
良く学生などがループものを書きますが、それはオチを書く事から逃れる行為で腕は上がりません。必ずオチまで書きましょう。
・縦書きで書く
日本の小説、脚本業界は基本的に縦書き文化です。縦書きに慣れる為にも、プロット含めて縦書きで書く事をおすすめします。
ただ、小説投稿サイトなどは横書き文化なので、将来的にどうなるか分かりません。
・プロットに登場する人物は3人以内に
プロットに書く登場人物は「主役」「準主役」「3番手(準々主役)」までに留めておくのが望ましいです。
それ以上の登場人物を出すと、どうしてもプロットが長くなりますし、読みにくくなり、混乱が生じます。
プロットに出てくる登場人物は、物語に深く関わる人物のみに限定した方が良いです。
大体、3人以内までが物語に深く関わる主要人物です。
物語の内容によっては、主要人物が2人だったり、主役1人だけ(主要な相手役が居ない)という事もあります。
プロットに出てこない登場人物は、本編執筆の際に書けば良いです。
・登場人物に名前をつける
出来れば登場人物には名前をつけましょう。そうする事で、書き手にとっても、読み手にとっても、キャラクターをイメージしやすくなります。
・書き上がったら起承転結を確認
プロットが書き上がったら、起承転結が出来ているか確認しましょう。そうする事で、物語の構成をチェックでき、書き足りない箇所を見つけられます。
プロットの初稿段階では、クライマックスの盛り上がりがイマイチだったり、オチが不明瞭だったりする事が多いので、そこの書き直しになります。
ちなみに、物語のおける起承転結を簡単に示すと、下記の様になります。
起<物語の始まり>
承<クライマックスに向かって盛り上がっていく階段>
転<クライマックス>
結<オチ>
物語の中では「承」が最も多くを占めます。物語の7割は「承」です。
また、「承」の中にも「起承転結」があります。これを「承の中の起承転結」と言います。
起承転結の説明は長くなるので、また別記事で詳しく起承転結を解説します。
以上が、プロットの書き方です。
ちなみにプロットが完成する迄、概ね3ヶ月くらいかかります。
時間をかけてプロットを書く事を嫌がる生徒さんが居るのも事実です。
しかし、時間をかけてプロットを練る事で、作者の頭の中で豊かな物語世界が構築され、登場人物に感情移入し、本編を書く際には一気呵成に書き上げる事が可能になります。
ですので、生徒さんには、プロットを書いた方が結果的に早く本編を書けますよと説明しています。
(花野組福岡「作家塾」)