SaaSスタートアップのための戦略的開発チーム運用
成功したスタートアップをみて、
「うちの会社も強い開発チームを作って、イカしたプロダクトを作るぜ」
これまでいくつものスタートアップが、このような声を出して爆死していきました。南無
まぁ実際は、どのスタートアップも、開発者が全く足らず、作りたいものがなかなか作れず。四苦八苦しながらなんとか形にする。そんな状況かと思います。
では、どうやって、成功したスタートアップのような良い開発チームを作ることができるのか。
金か?
まぁ資金が潤沢にあるスタートアップは、優秀なエンジニアを札束でぶっ叩くのも良いでしょう。
今回の記事は、札束でぶっ叩けないスタートアップや開発チーム関連で困っているスタートアップ向けに、開発チームの作り方を書きました。
とてもシビアで泥臭い方法もあります。
キラキラしたスタートアップをお望みの場合は、○eWorkに行って、その辺の開発者に声をかけておけば良いので、そちらでお願いします。
どんな開発チームが必要か分かっていない
ここからはシビアで泥臭いウェイウェイしないスタートアップ向けに書いていますね。
「強い開発チームを作りたい、だから優秀なエンジニアを紹介してほしい」
私が、スタートアップからよく受ける相談の一つです。
分からなくもない質問ですが、どんなスキルを持っていて、どんな仕事を任せたいかと聞いていくと、
「自分の近くで、ゴリゴリコード書いて、なんでもすぐ作ってくれる開発者で、プロマネとか開発責任者もやってくれる人」
私の返事はいつも決まっています。
「なるほど…」と。
まず、このような質問をしてくるスタートアップは、漠然と開発力が足りないことはわかっているけれど、何がどれくらい、いつまで足りないのか分かっていません。
悲しまなくても大丈夫です。だいたいのスタートアップはこの状況です。
成功したスタートアップ開発チームをモデルにしている
で、どんな開発チームを作りたいか聞いていくと大体成功したスタートアップを参考にした開発チームです。または前職で体験した開発チーム構成。
プロマネがいて、開発者責任者がいて、デザイナーがいて、コーダーがいてみたいな。
いわゆる開発チームのバランス型みたいなものを想像している。
だいたいバランス型の開発チームってこんな感じ。
良いチームですね。開発しやすいイメージです。
バランスの良いチームを作りたい、その気持ちは分かります。
いつかは自社のプロダクトをどんどん作る大きなスタートアップ企業に成長したい。だから、少しでも成功したスタートアップに似ている開発チームを作る。
その考え方は非常に理解できます。
スタートアップの開発チームは最適化しただけ
でも「自分の近くで、ゴリゴリコード書いて、なんでもすぐ作ってくれる開発者で、プロマネとか開発責任者もやってくれる人」を、いろんな場所で探す前に、
この開発チームのモデルについてもう少し考えてみましょう。
スタートアップにおいて、開発チームはプロダクトを生み出す部署です。
当然、開発チームがプロダクトを作っただけでは、サービスを発展させることはできません。
セールスやマーケティングを通じて、サービスが市場やユーザーに受け入れられる必要があります。
そしてプロダクトは、ユーザーの反応に応じて、最適化されなければなりません。
プロダクトを最適化するには、開発チームも最適化される必要があります。
簡単な例では、ウェブアプリを作る開発者がいて、ユーザーがスマホアプリを求めていると分かれば、その開発者はスマホアプリを作れるようになるか、スマホアプリが作れる開発者と交代する方が最適と言えます。
つまり成功したスタートアップは、そのようなユーザーの反応を見ながら、最適な開発者のスキルや人数、チーム体制に変化した結果です。
あなたの開発チームは、成功したスタートアップの開発チームを真似して行くことが、最適化になるのでしょうか?
スタートアップのシリーズごとのプロダクトの目標
開発チームの最適化には、スタートアップのシリーズとプロダクトの目標がポイントとなります。
シード
プロダクトリリース前、チームはある状況です。目標は、プロダクトのリリースになります。
いいからどんな手段でもいいので、MVPやMBPと言った検証できるプロダクトを可能な限り早く作ることが開発の役割です。
プレAシリーズ
プロダクトはあるけれど、PMFはまだというシリーズです。
このシリーズでの開発チームの役割は、Product Customer Fitです。
顧客に合わせてプロダクトを改善していく必要があります。
この時点では、本当に利益を生み出してくれるプロダクトに成長できるかは分かりません。そのため、ピボットする可能性も高いです。
プロダクトの目的は、素早くPDCAを回して、改善を繰り返すことです。
シリーズA
PMFが達成できて、マーケティングにお金をかけることができるステージです。
ユーザー数も伸ばして、開発規模が大きくなってくるステージです。
プロダクトの目標は、ユーザー数の拡大です。多くのユーザーを解析しながら、プロダクトを大きく成長させることが大切です。
シリーズB・C以降
このシリーズになると、開発チームは大きくなり、また最初のプロダクトだけでなく、クロスセルやアップセルといった収益性の向上を行うため、関連したプロダクトの開発が頻繁に起こります。
ユーザーの体験を分析し、質の高い関連したプロダクトを作って行くことが目標となります。
スタートアップの開発チームの最適化とは
つまりスタートアップの開発チームの最適化は、成功したスタートアップの開発チームのモデルを段階的に作って行くことです。
開発チームの最適化の実際
では実際に、何をすればいいのでしょうか?
スタートアップの開発チームの最適化には
・シリーズごとの最適なチーム
・次のシリーズに連れて行く人を育てる
です。
シリーズごとに具体的に説明します。
シード
開発チームを作ることが目的ではありません。チーム内にエンジニアがいる場合は足りないリソースを一時的に用意しましょう。
そうでなければ、全部外注でいいです。開発チームなんて100年早いです。
おすすめは、オフショア開発に発注して安く、高速で作ってしまうことです。
プレシリーズA
この辺りから開発チームを意識する必要があります。
開発責任者やプロダクトマネージャーなどのサービスやユーザーについて深く考える必要があるポジションは、社内で情報が共有しやすい方が良いですが、最初は不在でも良いです。
効果的な方法はこちらでも説明しています。
開発チームの柔軟性を優勢させ、外部関係者やサービスを利用します。
開発者やコーダー、デザイナーはピボットが起これば、必要なスキルが変わりますので、外注やフリーランスで良いです。
また、外注でも、柔軟にプロダクトを作成できる状態にしておくことが大切です。
オフショア開発のラボ型など、専門の開発チームを期間ごとに契約するサービスなどを使って、一時的な開発チームを安く作ることもおすすめです。
シリーズの後半では、シリーズAで必要なプロジェクトマネージャー候補を育てて行くことを徐々に考えて行く必要があります。
シリーズA
開発チーム規模が大きくなり、マネジメントを専任に行うプロジェクトマネージャーが必要になります。
余力があれば、徐々に社内で開発チームを育て、開発力をつけて行くことが大切です。
開発者などの開発層のメンバーを社内で育てても良いのですが、国内でスキルを持った開発者を手っ取り早く揃えるにはフリーランスを利用するです。
しかし、コストがかなりかかることと、開発力を蓄えるには向いていません。
チームの核になる開発リーダーしっかりと育てて、次のシリーズの準備をしていきましょう。
徐々にオフショア開発など外部サービスから社内で開発する環境に変化していきます。
シリーズB・C
プロダクトに精通した開発者を育て、より効果的な関連サービスを生み出していきます。
そのため、開発チームのほとんどを社内メンバーで作成し、開発力の厚みを作って行く必要があります。
まとめ
このシリーズごとに開発チームを最適化し、次のシリーズの準備をすることを
戦略的開発チーム運用
と呼んでいます。
この運用は、オフショア開発と組み合わせることで、より低コストで柔軟に行うことができます。
戦略的開発チームのスケジュールや最適化の設計とオフショア開発の提供を組み合わせたサービスを提供しています。
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