インターンシップを終えて(参加者による寄稿)
参加の目的
私がインターンシップに参加した目的は「おもてなしとは何か」を学ぶためです。
私は将来観光に携わり、おもてなしを体現できるような職業に就きたいと考えています。そのために、これまでは大学で観光分野の授業を履修したり、おもてなしとは何かを自分なりに考えたりしていましたが、実践的な学びの機会がありませんでした。そこで、今回のインターンシップに参加し、実際の現場を体験することで「おもてなし」とは何かを学び、追求したいと考えました。
インターンシップ業務内容
私が取り組んだ業務は「フロント・接待業務」と「公式Instagramの運用」です。
①フロント・接待業務
インターンシップ期間中、最初の7日間はフロント業務を経験しました。フロント業務ではチェックイン、チェックアウトに加えてお客様のお荷物を運んだり、館内のショップ(売店)に訪れたお客様への対応をしたりするなどロビーフロアでの接客が主な業務内容です。私はインターン生なので社員の皆さまのように全ての業務に取り組むことは難しいだろうと考えていましたが、お客様のお見送りやお荷物の運搬をはじめ、最終的にはチェックアウト時のご清算やお客様をエレベーターまでご案内するという業務まで体験させていただくことができ、大変貴重な経験となりました。
インターンシップ期間の後半には、朝食と夕食の提供や客室の最終確認などを行う接待業務を経験しました。私はお客様の朝食・夕食時に、お食事を運ぶ手伝いをしたり、お席の片付けをしたりしました。
客室の最終確認では、客室がお客様をお迎えする準備ができているかどうかを確認するため、小さなゴミが落ちていないか、部屋全体を見て気になる点はないかなどを客室を隅々までよく見ます。私は社員の方にやり方を教えていただきながらまずは客室の一部分に集中して取り組むことから始め、少しずつ範囲を広げて最終的には客室一室の最終確認を任せていただくことができました。
②Instagram運用
日々のフロント・接待業務に加え、私は花紫さんの公式Instagramの運用をさせていただきました。この活動では主に旅館の魅力を発信する投稿を毎日欠かさず行い、期間中にはより多くのフォロワー獲得に向けたプレゼントキャンペーンを実施しました。そして、投稿をより多くのユーザーに届けるため、投稿文に英語表記を追加することを私から提案させていただき、実践することもできました。取り組みの結果、インターンシップ期間中の毎日投稿と、フォロワー50人以上の増加という目標を達成することができました。
インターンシップ期間に学んだことと振り返り
私はこのインターンシップを「おもてなし修行」だと考え、教えていただくことを全て吸収するつもりで取り組みました。その結果、私がこのインターンシップに参加した目的である「おもてなしとは何か」という問いに対して、その答えとなる2つの学びを得ることができました。
1.自分が基本ではなく、常に相手が基本
これは私がインターンシップ期間中に聞いたおかみさんの言葉で、「自分の行動を優先するのではなく、お客様に合わせて柔軟な対応をする」ということです。私はその言葉を聞くまでは、教えて頂いたことをその通りに実践することを意識していました。しかし、それではお客様の立場になって考える余裕もなく自分の行動を優先してしまっていることに気づき、お客様の行動を基本に自分が取るべき行動を考えて実践するという臨機応変な対応が、おもてなしにつながる大切なことだと学びました。
2.違和感は「知るべき何か」のサイン
これは、客室の最終確認のやり方を教えていただいた際に学んだことで「自分が感じた違和感を無視してはいけない」ということです。客室の最終確認では、客室がお客様をお迎えできる状態になっているか隅々まで確認します。その際に、小さなゴミが落ちていたり椅子の向きが曲がっていたり、自分が見て違和感を感じることや気になることがあった場合、それはお客様も同じように感じるはずだと考えることが大切だと教えていただきました。これは接客の場合も同じで、お客様が何かを探していたり、何か言いたげな様子だったりと自分がお客様の違和感を感じ取った場合にも自分からお声掛けするなど、積極的に行動することが必要だと学びました。
Instagramの運用については、影響力のある投稿をすることの難しさを実感しました。この活動では最終的に78人のフォロワー増加を達成し、目標の50人増加を超えることはできましたが、ある反省が残りました。それは、フォロワー増加に向けたキャンペーンの反響が過去に行われた同じキャンペーンと比べてあまり良くなかったことです。このキャンペーンとは、花紫さんの公式Instagramのフォローと投稿へのいいねで誰でも参加できるもので、過去に行われた、クッキー缶が当たるプレゼントキャンペーンでは、投稿へのいいね数も新規フォロワーの獲得も数百を超える参加率でした。しかし今回私が提案させていただき実施した、朝食セットが当たるプレゼントキャンペーンでは、投稿へのいいね数は200を超えたものの新規フォロワーの獲得はおよそ50人ほどでした。この結果から、より多くの新規フォロワーを獲得するにはキャンペーンの内容が、多くのユーザーから共感を得られる内容であることや、参加しやすいと思ってもらえる内容であることが重要だと感じました。
インターンシップを通しての感想
私にとって「おもてなし修行」だったこの3週間は毎日が勉強の日々で、あっという間にインターンシップ期間が終わってしまいました。それほど夢中になって取り組むことができていたのだと思います。
業務については、お客様にご挨拶するだけで精一杯だった最初の頃と比べて、自分からすすんで話しかけることができた時や、お客様からの質問に答えることができた時には自分の成長を感じました。また、業務中には社長をはじめ社員の皆さまが優しく声をかけてくださり、私が分からないことを質問をした際には丁寧に教えてくださいました。そしてインターンシップ終了後には皆さまからたくさんの前向きなフィードバックをいただき、自分に自信がつきました。花紫さんで過ごした日々はとても新鮮で、毎日新しい学びに出会えるワクワク感でいっぱいでした。
このインターンシップでの経験と学んだことを糧に、これからもおもてなしを追求し続けたいと思います。受け入れてくださった花紫の皆さん、短い期間ではありましたが本当にありがとうございました。