ミツバチの意思決定
在宅医療専門のクリニックに
勤務を始めたのは2013年。
かしこーならんと
つぶやく、ばあちゃんとの別れを経て
最期に一緒にいること
最期に一緒に話すこと
最期に一緒に呼吸すること
は、なんというか、面白い。
それで、始めは、
特養に介護士見習いとして就職。
三ヶ月が経ち、
食事、排泄、入浴、夜勤と
独り立ちできた頃に、何やら賑やかな
クリニックのことを知り、
トントン拍子で
特養からクリニックに
僧侶として入職。
特養にいたけど、介護士ではない。
履歴書に僧侶と書いたけど、
坊主としてのキャリアはない
ヨーガをしてきた、私。
ドクターや看護師と一緒に
訪問診療や訪問看護に行ったり
重度障害のキッズの送迎に行ったり
お昼ご飯の介助をしたり
毎日の予定は午前と午後も違う内容。
そんな環境で、
介護士になろうと思ったり
臨床宗教師になろうと思ったり
看護師になろうと思ったり、
いろんな専門職について考えてきた。
で、結局はそのまま、
入職当時のままの
フリー僧侶。
診察同行して、
お菓子が足りないと聞くと
翌日にケアマネさんに予定を作ってもらい
おばあさんと、お菓子と果物のまとめ買い。
飴、チョコレート、おかき、果物、林檎、みかん。
ディサービスが面白くないと聞いたら
県森のプールに行って歩いたり。
入浴できないと聞いたら
プライベート温泉予約して
ハンバーグランチを食べてから
温泉入浴したり
抹茶飲みながら
仏教や哲学について語り
西田幾多郎館に行ったり
それぞれのしたいことを
一緒に面白くすることが
フリー僧侶の仕事でした。
一年一年。
いろいろ面白いことを
トライアンドエラー
2017年頃、
屋上養蜂をしながら
ミツバチと向き合うことで
いのちの探求はできないか?
と思い立ち、
銀座の屋上、福岡のデパートの屋上、
神奈川の大学の屋上など
都市養蜂を見学してみた。
調べれば調べるほど面白い
ミツバチのいのち
ミツバチの意思決定。
在宅医療においても
食べれない。食べさせたい。
点滴したい。点滴できない。
病院ですか?家ですか?
と意思決定がある。
背景に
bad news telling
がある
ミツバチも意思決定をしてるんだ。
しかも、民主的な意思決定で
最良の巣を選ぶ!
日常的な意思決定の難しさを
感じていた私は、ミツバチの行動に
興味をいだいた。
どうやったら、本人が死と向き合い
後悔や恐怖や願いと一緒に
死にゆきながら
生きていくこと
生死ができるのだろうか?
ミツバチの会議に
ヒントがある気がした。
屋上に人が集い
ミツバチと向き合い
ミツバチの行動範囲である
半径4キロメートルの木々や花に
気持ちを空に向ける。
どんどん
ミツバチへの想いが募る。。
でも
設置予定だった屋上は
隣の家の二階の窓が丸見え。
未だミツバチを育てた経験なし。
2017年は想いだけが
膨らみ膨らんだまま、
身動きとれなく。。
断念