【鑑賞レポ】念願のミュシャ展!
昨日、静岡県立美術館で開催中の「みんなのミュシャ」展に行きました!
実はちょうど一年前たまたま東京にいたのですが、その時に渋谷でこの展覧会があったんですよね。それを現地で知ったのですが、行こうと思った時には時間も夕方になっていて、諦めてしまいました。
それが一年後、静岡に来てくれるとは!💛喜びも一入でした。
今回はその鑑賞レポと題して、ちょうど大学でジャポニズムとアールヌーヴォの関係にも触れたレポートを書いたばかりの身として考えたことも含めて、少し綴りたいと思います。
1.日本人も魅了されたミュシャの魅力とは
ミュシャの故郷、チェコのお土産です。(手前のチョコレートとハンドクリームは多分違うかな?確認不足で、すみません。)写真奥のミュシャ柄のバッグ。昨日はこのお気に入りのミュシャバッグで参戦しました。
中学生の時にミュシャを知って、そこからずっと虜になっている私ですが、そもそもどうしてこんなにミュシャが好きなんだろう。
展覧会では同じくミュシャの作品に魅了された日本の漫画家たち(主に少女漫画)の言葉が紹介されていました。彼女たちの言葉や美術館の解説によると、ミュシャの優美で上品な表現(女性や花の組み合わせや、デザインとして効果的な髪の描き方など)が少女漫画に取り入れやすいということが魅力のひとつといえるようです。
確かにミュシャの作品には、パステルの色使いもあってか夢見心地な空気感を感じます。優しくて、でも凛とした雰囲気もありますよね。
ただそれだけではなく、日本人がミュシャに魅力を感じた他の理由として、私はミュシャと日本美術にいくつか共通点があることを挙げたいと思います。
ちょうど前期の授業で「ジャポニズム」についてのレポートを書いていた時、私は日本美術が西洋美術に与えた影響について調べていました。
そこで日本美術の平面的表現や自然的なモチーフ、また左右非対称の構図などが西洋で隆盛したアールヌーヴォに影響を与えた(ただし西洋は長らくそれを否定していた)と指摘する文献を発見しまして。アールヌーヴォに憧れを抱いていた私は少し興奮しました。
それを踏まえると、アールヌーヴォを代表するミュシャの作品も確かに平面的な表現で、縁取りは日本の浮世絵などにも見られる……ということで、日本美術ともいくつか共通項の見られるミュシャの作品は日本人に馴染みやすく、それが多くのファンを魅了する今にも繋がっているのかなとも考えました。
2.特に身に染みたポスター
こちらは、今回購入した「モナコ・モンテカルロ」のクリアファイルです。
(ポストカードにすればよかったかしら。撮影の都合上斜めになってしまってすみません。)
この「モナコ・モンテカルロ」、観光促進のためのポスターだったようです。列車や観光客の姿など、「旅」を彷彿とさせる具体的なイメージのものを敢えて描かず、「旅への憧れ」という抽象的なテーマを軸にして描かれています。(美術館の解説参考)
「憧れ」という気持ちに目を向けたことによって、ミュシャらしさがより一層発揮されていると思いました。
この夏はコロナでなかなか旅行にも行けないので、このポスターには特に共感してしまいました。(;^ω^)まさに今、そんな感じ!と、どこか遠いところに行きたいうずうずした気持ちを先にミュシャに表現されてしまったようです。もちろん状況は違いますが……
ということで、2年前の静岡市立美術館のミュシャ展に続いて、今回もより一層満喫できました!
今は美術館をはじめ文化施設が転換の時期にいる(作品の移動ができないため、文化施設自体の収蔵品の活かし方が問われるなど)という記事(静岡新聞、社説)をちょうど今朝読みました。
今後の文化施設の動きにはそういった視点でも注目しながら、私はこれからも美術館をはじめ様々な文化施設には積極的に足を運びたいです!
今日も読んでくださって、ありがとうございました🌷明日もお元気で!