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今日のままならなさ

ハタチのころは、なんでも思う通りに動けました。三十過ぎで子どもを産んでから、ままならなくなってきました。心身の話です。

若くて健康なときは、ひと晩も寝ればあっという間に疲れがとれて元気になります。徹夜もできるし、反対に一日中眠れたりもする。物の名前を忘れることもなく、すぐに言葉が口に出てくる。自分が思った以上に心身が動いてくれます。「ままなる」ことが若さのように思えます。

個人差はありますが、三十を過ぎたころ「あれ?」と自身の「ままならなさ」に気づきはじめるのです。ひと晩寝ても疲れがとれにくい。会話に「あれ」「それ」「なんだっけ?」が増えてくる。

この内側からじわじわとくる変化にどう向き合えばよいのか?
二十年後、三十年後には、どう変わってしまうのか?
何ごとも先輩がいます。今まで出会った六十代以上のみなさんを振りかえると、おおまかに三つの傾向があると思います。


「フォーエバーヤング タイプ」
できるだけ「ままなる」ように努力を続ける、活力あふれる人たち。運動、食事、サプリメント、とくにセサミンなどを利用して若さ・美しさを維持しようとする。年齢が下の世代のサポートもするが、基本的には自分が主役であることを大切にする。“美魔女”も含む。

「年の功 タイプ」
ままならなさを受けいれて、まだできる「ままなること」を大切にする。活力が減ってくるが、反面落ちつきが増す。人生の先輩として下の世代のサポートをしつつ、のんびりと人生を過ごすことを大切にする。いわゆる“多数派”。

「キレる老人 タイプ」
もっとも少数派だけど、もっとも悪い意味で存在感がある人たち。自身のままならなさに怒り、またはそれが自身の内からくることに気がつけない。下の世代を悪意をもって利用したり八つ当たりをしたりする。“老害”と呼ばれてしまうことも。


同じ人でもその日そのときの状況によって、気分や行動がことなります。
「年の功 タイプ」がフォーエバーヤングする。「キレる老人」が「年の功 タイプ」に成長をする可能性もあるし、「年の功 タイプ」がキレてしまう可能性もあります。

人生は一日一日のつらなり。
今日の「ままならなさ」にどう向き合ったのか。
その結果が将来どのようなお年寄りになるかを決めるでしょう。

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