シェア
私が初めてサイゼリヤを知ったのは高校生のときである。 当時私は帰宅部だったのだが、この頃から物を書くのが好きだったので、その縁で新聞部の手伝いをしていた。部活終わりに、先輩たちが、 「サイゼに行く」 と言うので、「サイゼ?」と思いつつもついて行くことにしたのである。 先輩たちは、ミラノ風ドリアを当然のように注文していた。 メニューを見るのは昔から好きなので、ぱらぱらめくって、その値段を見て驚いた。 安すぎる。 驚きのあまり、私は何を注文していいのかさっぱりわか
お盆休みが近づいてくると、スーパーやデパートなどでは、帰省土産の販売に精を出しはじめる。 箱詰めされたゼリーや水ようかんが涼しげで、クッキーやおかきの詰め合わせなどを見ていると、帰省もしないのに、つい買いたくなってしまう。 東京土産で有名なのが、昔からあるものだと人形焼きや雷おこし、芋ようかんなどが思い浮かぶが、近年は東京ばなななども定番になっている。 京都は八つ橋、福岡だと博多通りもんなど、各地様々なお土産用のお菓子がある。各地域ごとに、おらが町のお菓子、というも
そのお店は赤坂にあった。 絨毯が敷かれており、歩いても音が立つことはない。白い円卓は、隣が気にならない距離感で、卒なく配置されている。 耳をすませば、僅かばかりに話し声が聞こえ、目を凝らせばようやく、隣の円卓で何を食べているかがわかる。 隣は何を食う人ぞ。 気にはなるが、間違っても目を凝らしてはならない。ここは言わずと知れた高級中華のお店なのだ。 円卓の上には、海老のチリソースが盛られた白い皿が置かれている。 これは私が望んで注文した一皿だ。その様子は、こ