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「ねぇねぇ、見てこれ」 夫がホクホク顔で、私に買い物バックの中身を見せた。 そこには大人の握りこぶし大のビニール袋が3つ。中には落花生が入っている。 「あら、どうしたのこれ?」 「いつもの農家さんの無人販売に置いてあったから、買ってきた」 数年前に東京から埼玉に越してきたとき、無人販売所の多さに驚かされた。販売所と言っても、普通のお宅の軒先に野菜が並んでいる簡易的なものだ。ちょっと心許ない鍵付きの木箱が野菜の横に置いてある。その箱には貯金箱のように小銭が入れられ
秋である。 今年は9月が早めに涼しくなったせいか、秋を感じる時間が例年より長い気がする。 先日、野菜の直売所でさつまいもが出ていた。 店主によれば、掘ってみたけど、少し小さかったとのこと。寝かせていないので、甘さは控えめらしい。甘くしたいなら新聞紙にくるんで寝かせておいて、と言われたのにもかかわらず、私は我慢できず蒸かしてしまった。 案の定、風味はあるものの、甘さ控えめのさつまいもだった。言われたとおり、寝かせればよかったのだが、蒸してしまったものは仕方がない。