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はなまめと本。『こんとあき』 林明子
純粋なものを見ると、
泣いてしまうので、
泣いてしまうことそれ自体が、
自分にとっての心の拠り所になる。
自分の心の疲労度を判断する本というのが、
誰にでもあると思うのだが、
この絵本はわたしにとってそういう本だ。
この本を読んで泣けなかったら、
もう心が摩滅しているので、
休んだ方がいいし、
とにかく何もしない方がいい。
こんの、
自分より歳が下のかわいい女の子を守ってあげたいという
純粋な気持ちから来る行動にどこまでも泣ける。
お弁当を二つ抱えて、
電車のドアにしっぽを挟まれたまま
下を向いてうなだれている姿がものすごく愛おしい。
胸をぎゅっと掴まれる。
原画展でこのシーンで泣いている人が
いたらしい。
一緒に行った人が見ていたそうだが、
わたし以外にも泣く人がいたと知ることができて、
なんだかうれしかった。
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