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男性更年期障害と胃薬

男性更年期障害はテストステロンの低下が大きな原因です。
胃薬で、テストステロンを減らす作用があるものがあります。

◆胃潰瘍の成り立ち

「ストレスで胃に穴があく」ということを聞きますが、
医学的にはどういうことでしょうか。
穴があくと言っても、胃に貫通した穴があくのではありません。
胃の表面の粘膜が溶けることであり、これを「胃潰瘍」と言います。

ここで素朴な疑問が湧いてきます。
牛肉も豚肉も溶かす胃液ですが、
なぜ、胃液は胃自身を溶かさないのでしょうか。
その理由は、胃の表面は、粘液によって守られているからです。

ストレスがかかると胃酸の分泌が増え、さらに胃の粘液の分泌が減ります。
胃酸の攻撃が強くなるのと、粘液による防御が弱くなることのダブルパンチで胃に穴があくのです。

胃潰瘍の薬は、胃酸の分泌を抑える薬や、
粘液による防御を高める薬などがあります。

◆ガスター10(テン)

胃酸の分泌を抑える胃潰瘍の薬にシメチジン(商品名:タガメット)があります。
シメチジンによってテストステロンが下がることがあります。

胃が悪いからと、長い期間、シメチジンを飲んでいると、
テストステロンが下がって、男性更年期障害になるリスクが高まります。

シメチジンの副作用に「女性化乳房、勃起障害」と明記されています。
これはテストステロン値が低くなったことによっておきると思われます。

最近、胃薬はシメチジンよりファモチジン(商品名:ガスター)が広まっています。
ガスターは薬局でも購入ができるからであり、
「ガスター10テン」のコマーシャルは一世風靡しました。

ファモチジン(ガスター)も、シメチジンと構造が似ていることと、
副作用に「女性化乳房」が記されていることより、
テストステロンを下げるリスクがあるでしょう。

これらの胃薬を、長期間、飲み続ける場合は、
男性更年期障害への注意が必要です。

参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021

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