夜勤はナッツと果物を夜食にしよう
シフトワーカー(日によって時間帯を変えて勤務をする人)は、
不眠症、肥満、糖尿病、心臓病、うつ病のリスクが高いことが言われています。
その原因は下記です。
・朝食を食べない。
・夕食時刻が不規則
・夜食を食べる
これらは夜勤の時にありがちなことです。
これに加え、病気のリスクを高める要因に、
「食事の質」が低いことが挙げられています。
◆食事の質とは
神奈川県の看護師2,758名を対象とした調査では、
シフトワーカーは、日勤者に比べて、「菓子、嗜好飲料」の摂取量が多く、「野菜、果物、魚介類、藻類」の摂取量が少ないという結果でした。
これは「食事の質」が低いことを意味しています。
心身が健康であるためには、「食事の質」が重要です。
「質の高い食事」とはどんな食事でしょうか。
主食、副菜、主菜、乳・乳製品、果物がより適切である人ほど、
心臓病や総死亡のリスクが低いことが言われています。
また、野菜、きのこ、魚、大豆製品、緑茶、いも、果物の摂取量が多い人ほど、うつ病のリスクが低いことが分かっています。
◆慢性炎症説
乱れた食生活により臓器が慢性の炎症を起こし、
老化、心臓病、がん、認知症の誘因となるという考えを、
慢性炎症説といいます。
シフトワーカーは日勤者に比べて、炎症の数値(CRP)が高いとの研究結果があります。
食材には、炎症を起こすものと、炎症を抑えるものがあり、
これが「食事の質」に関わってきます。
つまり、「炎症を起こす食事」が質の低い食事、
「炎症を抑える食事」が質の高い食事です。
炎症を起こす食材・抑える食材についての詳細は別の記事に譲るとして、
夜食に「お菓子」は、「食事の質」が低いと言えましょう。
◆ナッツや果物は炎症を抑える
ストレスのかかる夜勤には、洋菓子や和菓子を食べたくなります。
しかし、夜食にケーキ、まんじゅう、スナック菓子は最悪でしょう。
同じ甘いものでも果物は炎症を抑えます。
ピーナッツやクルミも良いでしょう。
炎症を抑えるという観点から、
ナッツや果物を夜食にしてはいかがでしょうか。
参考文献
1)吉崎貴大、東郷史治:「シフトワーカーの食事・栄養」,臨床栄養 136(3): 327-333, 2020
2)香川靖雄:「健康寿命延伸のための食事」,アンチ・エイジング医学 16(6): 724-728, 2020