人命救助 4つのプッシュ
◆連携プレーによる人命救助
先日、実に素晴らしい人命救助が報道されましたので、紹介いたします。
それはHさん宅で起きました。
ご主人、奥さん、娘さん(9歳)の在宅時、リフォーム工事で訪れていた作業員の男性(49歳)が突然、意識を失って倒れました。
ご主人は119番後、すぐ心臓マッサージを開始しました。
奥さんは素足で自宅を飛び出し、自動体外式除細動器(AED)がある120m先のマンションに向かいました。
なぜ、AEDの場所が分かったのでしょうか。
以前、娘さんが、夏休みの自由研究で、自宅周辺のAED設置場所を調べていたからです。
この見事な連係プレーの甲斐あって、倒れた男性は一命を取りとめました。
ご主人は以前、倒れて心肺停止になった経験があったとのことですが、
一般市民の方が、心臓マッサージやAEDの知識を持っていたことは、
頼もしいかぎりです。
◆人命救助の流れ
さっきまで元気だった人が、突然、倒れた場合、
心臓の病気が考えられます。
近づいて声をかけ、返事がない場合、まず119番に連絡をしましょう。
呼吸をしていない場合、心臓マッサージを開始してください。
そばに人がいた場合、119番への連絡や、
AEDを持ってきてもらうよう依頼しましょう。
心臓は胸の真ん中にあります。(左ではありません)
心臓マッサージは胸の真ん中を、5㎝へこむ程度押してください。
押すテンポは1分で約110回ですが、
アンパンマンの歌のリズムが最適と言われています。
AEDが到着したら、胸を裸にして、
2つの電極パッドを胸の右と左に貼ってください。
そのあと何をすればよいのか、AEDの指示に従ってください。
AEDは心電図を解析し、電気ショックが必要かどうか教えてくれます。
「電気ショックが必要です。体から離れてください」
電気ショックをするとき、倒れた人の体に触れていると、一緒にショックを受けますのでご注意を。
「電気ショックのボタンを押してください」
の指示があったら、勇気を出してプッシュしてください。
「心臓マッサージを続けてください」
の指示により、心臓マッサージを再開してください。
「心電図を解析します。離れてください」
などの指示があったら離れてください。
そんなことをしているうちに、救急車が到着します。
◆119番 → 心臓マッサージ → AED
人命救助には4つのプッシュが大切です。
その流れをまとめてみましょう。
1つ目は、119番をプッシュすることです。
2つ目は、心臓をプッシュ(心臓マッサージ)です。
3つ目は、AEDの電気ショックのボタンをプッシュ。
◆もう1つのプッシュ
3つのプッシュでいいように思いますが、
もう一つ大切なプシュがあります。
倒れた人を見たとき、
「私に人命救助などできるだろうか」
「煩わしいことに巻き込まれたくない」
など、色々な心が出てきて、ためらってしまいます。
その「弱い心をプッシュ」しましょう。
「よしっ、やるぞ!」
この心がないと始まりません。
心をプッシュ、119番プッシュ、心臓プッシュ、AEDプッシュ。
4つのプッシュで尊い人命が救われるのです。
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