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繰り返す口内炎の原因は、歯に詰めた金属かも

歯に詰めた水銀と口内炎の関係について、
興味深い3症例の報告がありましたので、紹介いたします。

ひどい口内炎ができる天疱瘡てんぽうそう「ベーチェット病」という病気があります。

これらの患者さんの歯にアマルガム(水銀の含まれた詰め物)が入っており、水銀のパッチテストが陽性でした。

アマルガムを取り除き、その後の経過は良好とのことです。

アマルガムとは、水銀を含んだ金属のことで、加工しやすいという利便性から、以前は歯の詰め物によく使われていました。

水銀が原因で「天疱瘡」や「ベーチェット病」になったと結論づけるのは早計であり、報告者もそうは述べていません。

しかし、水銀の関与を思わせるデータとして、
3人とも血液中の亜鉛の値がかなり低下していました。

亜鉛と水銀は拮抗しますので、体内に水銀が多いと亜鉛は欠乏します。
亜鉛が欠乏すると口内炎を起こすことがあります。

つまり、「歯に水銀が入っている」→「体内の亜鉛が減った」→「口内炎」という図式が描けるのではないでしょうか。

◆アマルガムの見分け方

口の中にアマルガム(水銀)が入っているのは、
気持ちのよいものではありません。

歯に入っている金属の多くは「きんパラ」です。
きんパラ」とは、金とパラジウムなどの合金のことです。

きんパラ」とアマルガムは、どちらも銀色をしていますが、
見分け方があります。

きんパラ」はキラリと輝く銀色をしています。
一方、アマルガムはくすんだ銀色をしています。

歯に「いぶし銀」を見つけたら、アマルガムかもしれません。
歯医者さんで相談しましょう。

参考文献
角田孝彦ら:「水銀の感作がみられた粘膜優位型天疱瘡とベーチェット病」,Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology 2(4): 354-354, 2008

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