化学物質過敏症は40~50代の女性に多く、だるい、筋肉痛、関節痛、頭痛
◆化学物質に過敏な人は135人に1人 40~50代の女性に多い
化学物質過敏症とは、合成洗剤、柔軟剤、殺虫剤、プラスチックなど、
日用品から放散される化学物質によって、頭が痛い、せきが出る、息が苦しい、ふらふらする、などの健康被害を起こす病をいいます。
化学物質に過敏な人は、日本では135人に1人であり、
アメリカの10分の1の割合です(参考文献1)。
性別では圧倒的に女性に多く、男性の5倍と言われています。
年代別では、40代が最も多く、50代がそれに続きます。
◆多彩な症状
化学物質過敏症の症状は実に多彩であり、どこの科にかかればよいのか迷うことでしょう。
主な症状
・筋肉が痛い。筋肉が不快な感じがする。
・体がだるい。疲れた感じがする。
・関節が痛い。
・頭が痛い。
副症状
・のどが痛い
・微熱がある
・下痢、お腹が痛い、便秘
・光がまぶしく感じる、視野中に見えない部分がある
・興奮する、精神が不安定、眠れない
・かゆい、皮膚が変な感覚がする
・生理の出血量が多い
主な症状を2項目、副症状を4項目満たせば、化学物質過敏症の可能性が極めて高くなります。(参考文献1)
化学物質の少ない場所(山など)に行って、2時間くらいで症状が良くなれば、化学物質過敏症の可能性は高くなります。
参考までに、各種症状の一覧を提示します。
◆専門の病院は限られている
化学物質過敏症についての認識と理解は、
医療者においても、不十分と反省せずにおれません。
そのため、せっかく病院を受診しても、
「検査で異常ありません」「気にしすぎでは」と言われて、いろいろな科をたらい回しにされ、最後は精神科に紹介ということになってしまうかもしれません。
化学物質過敏症の診断が難しい理由は、検査で異常はなく、
上記の症状を起こす病気はたくさんあるからです。
化学物質過敏症を診てくれる病院は極めて少ないのが現状です。
参考文献3より、その医療機関をお示しいたします。
情報の取り扱いには、十分に注意をお願いします。
●渡辺一彦小児科医院
(北海道札幌市、院長:渡辺一彦)
●札幌でむら小児クリニック
(北海道札幌市、院長:出村 守)
●そよ風クリニック
(東京都杉並区、院長:宮田幹夫)
●日野厚生クリニック
(東京都日野市、担当医:坂部 貢)
●東京女子医科大学附属足立医療センター
(東京都足立区、担当医:平久美子)
●ふくずみアレルギー科
(大阪府大阪市、院長:吹角隆之)
●典子エンジェルクリニック
(大阪府堺市、院長:船越典子)
●国立病院機構高知病院アレルギー科
(高知県高知市、担当医:小倉英郎)
参考文献
1)水城まさみ:「化学物質過敏症の最近の動向と難治性患者をめぐる問題」,長
難病と在宅ケア 24(11): 25-30, 2019.
2)渡辺一彦:「香害で社会生活を奪われた人々」,月刊保団連 1366:11-17, 2022
3)小倉秀郎:「化学物質過敏症を見落とさないために─各診療科へのお願い」,月刊保団連 1366:18-25, 2022