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運動の前に、パンを食べない

◆パンを食べたあとの運動でアレルギー

昼食後の体育の授業中、体にじんましんが出てかゆくなった。
くちびるや目がはれた。
息が苦しくなって失神した。

そんな経験はありませんか。
これらの人の共通点があります。
「パン」を食べたあと「運動した」点が共通しています

「パン」と「運動」が重なったときに起きるアレルギーが、
「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」です。

「食物」が関係し、「運動」によって誘発されることから命名されました。
「パン」だけでも、「運動」だけでも、アレルギーを起こしません。
この2つがそろったときに、じんましんが出たり、顔がはれたり、
息が苦しくなったり、失神したりするのです。

原因の食べ物は「パン」だけではありません。
うどん、ラーメンなどの小麦製品が主な原因です。
小麦以外にも、エビ、イカ、カニも報告されています。

どうして「小麦」と「運動」でアレルギーを起こすのでしょうか。

◆小麦が未消化のまま吸収される

小麦は通常、胃で消化され、腸で吸収されます。
食後すぐに運動すると、小麦が十分に消化される前に吸収されてしまいます
血液中の未消化の小麦がアレルギーを起こすのです。

どうすればアレルギーを起こさないのでしょうか。

◆パンや麺を食べたら運動しない

「パン」と「運動」がそろったときに起きるアレルギーですから、
対策も簡単です。

・パンを食べたら運動しない
・運動前にパンを食べない

これに尽きます。

もし、パンを食べてしまったら、どれくらい間をあけたら運動してもいいのでしょうか。
3時間あければ大丈夫と言われています。

運動会や、サッカーの試合での昼食は、
「サンドイッチ」よりも「おにぎり」が安全でしょう。

参考文献
堀川達弥:「食物依存性運動誘発アナフィラキシーの診断と予防の実際」,MB Derma. 205: 37-42, 2013.

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