メロンを食べると口の中がイガイガしませんか

果物くだものを食べたとき、口の中がかゆくなったり、イガイガしたりしませんか。
「口腔アレルギー症候群」かもしれません。

最初はメロンを食べたときだけだったのに、キウイやリンゴでもかゆくなり、食べれない果物が増えてくることもあります。

◆口腔アレルギー症候群

口腔アレルギー症候群とは、どんな病気なのでしょうか。

果物を食べた直後に、くちびるがはれてきたり、かゆくなったりします。
ときにくしゃみや鼻水、涙が出る、顔がはれる、お腹が痛くなるなどの症状を起こすこともあります。

原因の食べ物は、多い順にメロン、パイナップル、キウイ、モモ、リンゴ、イチジク、スイカ、トマトです。

◆早いアレルギーと遅いアレルギー

アレルギーは、すぐに出るアレルギーと（即時型）、
1～2日してから出るアレルギー（遅延型）とがあります。
それぞれ仕組みが異なります。

即時型アレルギーの仕組みはこうです。
原因となる物質をランゲルハンス細胞が察知して、その情報をTリンパ球に伝えます。
Tリンパ球がBリンパ球にIgE抗体を放出するように命じます。
IgE抗体が肥満細胞に作用し、肥満細胞からヒスタミンという物質が出ることによってアレルギーを起こします。

症状はじんましん、くちびるや顔がはれる、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、涙、呼吸が苦しくなる、失神するなどです。

口腔アレルギー症候群は、食べた直後から、少なくとも1時間以内に症状が出る即時型アレルギーです。

症状が軽ければ自然に治りますが、呼吸が苦しい、失神するなどの症状があれば、救急車を呼んだほうがいいでしょう。
どうすれば予防できるのでしょうか。

◆温めて食べる

口腔アレルギー症候群を起こす物質は消化液に弱いため、
胃に入ってしまえば症状は軽くなります。
また、熱に弱いため、温めて食べると大丈夫なことが多いです。

といっても、メロンやパイナップル、キウイ、桃を、
煮たり、焼いたりして食べる人はいないでしょう。
火を通すのはリンゴとトマトくらいではないでしょうか。

参考文献
1）大澤陽子：「口腔アレルギー症候群の臨床像」,MB ENTONI (254): 7-11, 2021.

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