トイレが近くなったらヤマイモを食べよう
◆腎がおとろえるとトイレが近くなる
おいしいものを食べたり飲んだりしたとき、
「五臓六腑にしみわたる」と表現します。
「五臓」とは5つの臓器のことですが、
漢方で五臓とは「肝」「心」「脾」「肺」「腎」を指します。
これらは西洋医学における肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓とは、
意味合いがかなり異なります。
漢方の「腎」とは成長や発育、生殖機能をつかさどっています。
ホルモンで言うと、成長や発育は成長ホルモンが関わっており、
生殖機能は男性ホルモンや女性ホルモンでしょう。
腎がおとろえることを「腎虚(じんきょ)」と言います。
「やる気が出ない」
「腰が痛い」
「手足がしびれたり、ほてったりする」
「夜、何度もトイレに起きる」
などの症状が出ます。
今回は「頻回のトイレ」にスポットを当てます。
◆頻尿にはヤマイモ
夜中に2回以上トイレに行く人は、日本で2000万人と推定されています。
これらが40歳以上の人だとすると、3.8人に1人という多さです。
何度もおしっこに行くことを「頻尿(ひんにょう)」と言います。
腎がおとろえると頻尿になります。
腎の働きを高める食べ物がヤマイモです。
ヤマイモは、中国では「山の薬」と呼ばれ、
漢方薬として古くから使われています。
薬効は、「食欲がない」「胃がもたれる」などの症状を改善し、
胃腸を元気にする働きがあります。
また、1カ月程度、お茶碗1杯分を続けて食べると、
頻尿や尿もれに効果があります。
すりおろして食べるのが一般的ですが、
「ヤマイモがゆ」という食べ方もあります。
◆ヤマイモがゆの作り方
①ヤマイモを1cm角に切る。
②土鍋(厚手の鍋)にヤマイモ、ご飯、水を入れ、沸騰させる。
③沸騰したら弱火にして15分煮る。
④火を止めて10分蒸らす。
⑤味噌や塩で味付けし、梅干しなどを添えて「いただきま~す」
参考文献
1)横山博美 監修:『尿もれ・頻尿・残尿感を自力で治すコツが分かる本』,主婦の友インフォス,2017