皮膚科医が使わない湿布「ケトプロフェン」
◆皮膚科医が使わない湿布とは?
「肩が痛い、腰が痛い、関節が痛い」
そんな時、まず試みるのか湿布でしょう。
薬局で買ったり、病院でもらったり。
湿布は日常生活に溶けこんでいます。
いろんなメーカーの湿布がありますが、
皮膚科医が使わない(おそらく)湿布があります。
患者さんには処方しませんし、ましてや自分には貼りません。
商品名を出すとはばかられるので、一般名で示しますと、
「ケトプロフェン」が主成分の湿布です。
市販もされていますが、広く病院でも使われています。
湿布の中でも、最も多く使われているのではないでしょうか。
◆ダントツに多い、「ケトプロフェン」の湿布かぶれ
湿布を貼って赤くかぶれて、皮膚科を受診される患者さんがあります。
湿布かぶれで圧倒的に多いのが「ケトプロフェン」です。
多いというより、「ケトプロフェン」ばかりと言っていいでしょう。
最も多く使われている湿布なので、
それに比例して湿布かぶれも多いだけかもしれません。
◆日光に当たると赤くなる
子どもの頃、「あぶり出し」の実験をしたことがありませんか。
「あぶり出し」とは。
ミカンの汁を筆につけて、紙に文字を書きます。
乾いたあと、紙の裏から火であぶると文字が浮き出てくるのが「あぶり出し」です。
原理は異なりますが、「ケトプロフェン」湿布を貼っていた場所に日光が当たると、赤い四角形になることがあります。
これを「光接触皮膚炎」と言い、「ケトプロフェン」の副作用の特徴です。
陸上部員が膝に「ケトプロフェン」湿布を貼り、
一カ月後、その部分が四角くかぶれてきた例があります。
驚くことに、半年前に1回貼っただけなのに、
半年後日光に当たって赤くなったという例もあります。
そんな患者さんを経験するため、(多くの)皮膚科医は「ケトプロフェン」湿布を使わないのではないでしょうか。