「ありがとう」は、ホルモン補充療法
◆ハラスメント
ハラスメントとは、「嫌がらせ」のことです。
セクハラは性的な嫌がらせのこと、
パワハラは立場を利用した嫌がらせのことです。
新しいハラスメントを思いつきました。
「ホルハラ」(ホルモンハラスメント)です。
男性更年期障害はテストステロンというホルモンの低下によっておきます。
テストステロンは、精神的なストレスによって激減します。
「能なし」
「給料泥棒」
「使えねーな」
などの暴言によって、テストステロンは急下降し、
底をついてしまうでしょう。
「ペンは剣よりも強し」という格言がありますが、
言葉は剣より強いかもしれません。
言葉を突き刺すことによって、相手のホルモンをかく乱することができるからです。
◆「おもしろい味がある」
逆に、言葉によってテストステロンを増やすこともできるでしょう。
ささいなほめ言葉が、無名の画家を日本画壇の巨匠に押し上げた話は有名です。
若くで病弱だった故・平山郁夫氏を奮起させ、危機を乗り越え大成させたのは、ちょっとしたほめ言葉だったそうです。
すぐれぬ体調と闘い、日本美術院展に出品した、仏教伝来を描いたシルクロードの絵に、「おもしろい味がある」と、高名な美術評論家の院展評が新聞に載りました。
その記事を見て体調不良もふきとんだ平山氏は、くじけそうになるとその記事を読み返し、意欲を燃やし創作にいどみ続けたそうです。
近くの老人ホームのロビーに、平山郁夫氏のラクダが砂漠を歩くラクダの絵が掲げられていますが、たしかに独創性があります。
欲しい物をもらうのも嬉しいですが、
言葉のプレゼントはそれ以上に心に残ります。
歳月たっても忘れず、心をうるおし励ます糧になるからでしょう。
◆旦那のテストステロンを増やすには
言葉1つで、簡単にホルモンを増やしたり減らしたりすることができます。
奥さんが旦那さんにかける言葉も重要です。
「甲斐性なし」と言おうものなら、テストステロンはストンと下がって、ますます元気がなくなります。
旦那さんへの最高のほめ言葉は、「ありがとう」でしょう。
「今までの苦労が報われたー」と、テストステロンは急上昇です。
旦那さんは、それ1つのために頑張っているのですから。
参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021
2)高森顕徹:『なぜ生きる2』,1万年堂出版,2013