〔介護を学ぶ35〕手すり、杖、靴をプレゼントしよう
「転倒は介護の前兆」と言われます。
高齢者の転倒は、体力の低下を意味します。
転倒 → 骨折 → 介護
こうならないよう、対策を立てましょう。
◆手すりをつけよう
居室が最も転倒しやすい場所ですが、
風呂や階段、玄関も転びやすい場所です。
手っ取り早い対策が、手すりでしょう。
介護を想定した最近の住宅は、ふんだんに手すりがついていますが、
昔ながらの家には手すりが少ないのが現状です。
階段や玄関の手すりは、量販店で買ってきたものをDIYで取り付けることもできますが、やはり、プロに依頼するのが無難でしょう。
介護保険が利用できる場合もありますので、
ケアマネに相談してみましょう。
浴室の手すりは、工事をしなくてもよい「吸盤式の手すり」もあります。
置くだけの「トイレ用手すり」もあります。
居室で、立ち上がるときの補助器具もあります。
◆階段の滑り止め
階段で足を滑らせると、ガタガタと何度も腰を打ってしまいます。
階段のへりに滑り止めを貼っておくという方法もあります。
DIYで貼り付け可能です。
◆玄関の滑り止めマット
玄関での転倒予防には、滑り止めマットが有効ではないでしょうか。
土間から玄関に上がったところには、
マットを敷いている家が多いでしょう。
雨の日、雪の日は、玄関から外に出たところで、
滑って転ぶことがあります。
玄関外にも、滑り止めマットを検討しましょう。
◆転ばぬ先の杖
「転ばぬ先の杖」とは、
“不測の事態に備えて、あらかじめ十分な準備をしておくこと”
という意味のことわざです。
今回の場合、たとえではなく、文字通り、転ぶ前に杖をおススメします。
転んだ場所を尋ねると、「外で歩いていて」と答える人もあります。
段差があったり、穴ぼこがあったり、石が転がっていたりと、
道にも危険が潜んでいます。
「年寄りじみて恥ずかしい」かもしれませんが、
「転ばぬ先の杖」でしょう。
◆マジックテープの運動靴
外で転んだ人は、靴に問題があることがあります。
サンダル、草履、かかとを踏んだ靴などは、
不安定で転びやすい履き物と言えましょう。
スポッと履ける「スリッポン」も、
サイズが合っていなければスポッと脱げてしまいます。
しっかりと足を固定できる「ひも靴」がおススメです。
ひもを結ぶのが面倒な方は、ファスナー付きひも靴や、
マジックテープの靴がいいでしょう。
親が転んだという話を聞いたら、親孝行の時節到来です。
手すり、杖、靴などをプレゼントしましょう。
参考文献
1)望月幸代監修:『仕事と両立させるための親の介護Q&A』,ミネルヴァ書房,2011
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