すべすべの衣類で、やさしくなれる
◆手ざわりは心に影響を与える
近年の「身体化認知」の研究によると、
皮膚の感覚が社会的判断に影響を及ぼすと言われています。
いくつかの実験結果を紹介します。
ザラザラとしたものを触った人は、つるつるとしたものを触った人と比べ、ある二者の関係を手厳しく、非協調的だと評価しました。
例えていうと、A国とB国との対立の報道を、ザラザラとしたものを触りながら聞くと、「A国は許せん。非国際的な言動だ。制裁すべきだ」と腹が立つということです。
同じ報道をつるつるとしたものを触りながら聞くと、「争いには、双方に事情があったに違いない。なんにせよ、解決の道はないものかな」と、
温和な気持ちになるということでしょう。
また、固いものを触った人は柔らかいものを触った人と比べ、
金銭交渉では一度決めた値段を変えない傾向がありました。
つまり、固いものを触っていると、頭が固くなり、
心もかたくなになるとのことです。
また、柔らかい感触のテディベアに触れた人と、触れない人の2群に分け、ボランティアの依頼をした実験では、テディベアに触れた人の方が、ボランティアを承諾した人が多かったのです。
柔らかいものを触った人は、心も柔軟になることが分かります。
◆皮膚は考える
皮膚は膨大な情報を取り入れ、それを脳に送っています。
しかし、自覚できるのはそのごく一部であり、
ほとんどの情報は脳の無意識の領域に蓄積されると言われています。
持っているもの、肌に触れているものの質感が、
無意識のうちに、思いや考えに影響を与えています。
柔和で円満な性格を目指すには、持ち物や肌に触れるものは、
すべすべ、つるつるで、肌触りの良いものがいいでしょう。
常に肌に触れる下着は、綿100%がオススメです。
衣類、靴下も、ごわごわ、ザラザラしたものは避けた方が良いでしょう
参考文献
1)本元小百合ら:「皮膚感覚の身体化認知の展望とその課題」,関西大学心理学研究 第5号: 29-38, 2014
2)傳田光洋:『皮膚はすごい-生き物たちの驚くべき進化』,岩波新書,2019
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