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介護になったら、好きなものを好きなだけ食べよう

◆治療の前に予防 予防の前に予測

医学では、病気の診断に重きを置きます。
診断が間違えると、治療も間違ってしまうからです。

診断や治療が重要なのは言うまでもありませんが、
多くの人の知りたいことは、どうすれば病気にならずに済むかでしょう。
近年、「予防医学」が注目されるようになってきました。

介護者を悩ませる病気の一つに「床ずれ」があります。
床ずれとは、お尻に穴があいて、潰瘍ができる病気です。
ひとたび床ずれができると、本人も介護をする人も、
大変な苦しみと、手間ひまを強いられます。

床ずれは予防できる病気です。
予防に大事なのが「予測」です。
介護者の実感では、床ずれは突然できたように感じますが、
実際は何年も前から前兆があり、十分に予測できる病気なのです

◆お尻で栄養不足が分かる

床ずれの原因の一つが栄養不足です。
栄養不足は床ずれだけでなく、多くの病気の要因となり得ます。

加齢と共に食欲が減り、食べても胃からの吸収が悪くなります。
栄養不足になると、筋肉と皮下脂肪が減ってきます。
「やせ」の程度は、お尻の仙骨の出っ張り具合で測ることができます

床ずれの予測法の一つに「OHスケール」があります。
4項目からなっていますが、そのうちの一つが「病的骨突出」です。
お尻の仙骨の出っ張り具合を、専用のモノサシを用いて測定します。

専用のモノサシとは、横16cm、縦2㎝の凹の形をした器具です。
それをお尻の仙骨の部分に当て、仙骨の出っ張り具合を測定します。

WOC nursing 2016/2 Vol.4 No.2 より引用

A 正常:お尻がくぼんで、モノサシの中央にすき間ができる
B 軽度:お尻のくぼみがなくなり、平らな状態
C 中程度:骨が突出しているが、モノサシの凹の部分で収まる
D 高度:モノサシの凹の部分よりも骨の突出がひどい

低栄養によって、少しずつやせていき、床ずれができるのです。
病気は突然なるように感じますが、徐々に忍び寄っているのが実際です。
低栄養にならないために、どうすればよいのでしょうか。

◆介護になったら好きなものを食べよう

「塩分ひかえめ」「肉はひかえめ」
これらの常識は、介護の世界では横に置いておきましょう。

肉が好きなら肉を食べてよし。
寿司が好きなら寿司を食べてよし。
食べたいものが、一番たくさん食べれます。
たとえ健康に良くても、嫌いなものは箸が進まず、食が細くなるだけです。

好きなものを好きなだけ食べて、栄養をつけましょう。


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