11月15〜17日 ブルゴーニュ栄光の3日間
こんにちは!
今回は、ブルゴーニュ地方のボーヌ(Beaune)で毎年11月の第3の金土日に開催されている「栄光の3日間」(Les Trois Glorieuses)というワインのお祭りについて紹介したいと思います。
僕が住んでいるディジョン はブルゴーニュ地方の首都と言われていますが、ボーヌはブルゴーニュワインの首都と言われています。
普段は人通りも少なく閑散とした町ですが、この3日間はフランス中だけでなく、世界中からもワインのプロや観光客が訪れます。
まず今回参加したかったのが、ボーヌの中心街から徒歩で20分ほどのPalais des Congrèsという会場で開催されるワインの試飲会です。
この試飲会ではブルゴーニュ地方の数々の有名なワイナリーのワインが多数登場し、日本では、なかなか手に入れることの出来ないワインや1万円を遥かに超えてくるワインも多々出品されます。
ただ、そんな試飲会で1つ特殊な点があります。
それはまだ市場に出されていないワインを一般の人も試飲することができることです。
一般的に、ブルゴーニュのワインは収穫された年から約2年後まで、熟成されてから市場に出回ります。今でいえば、2018、19年ということになります。
この2つのヴィンテージは、まだワインとして完成されたものではなく、この日のために、樽からワインを注ぎ持ち込まれたものです。
特に19年のワインは葡萄が収穫されたのが大体2ヶ月ほど前で、約2年後に市場に出されることをを考えると完成品には程遠いこととが分かると思います。(ここでは先日解禁されたBeaujolais nouveauxのようなワインのことはここでは割愛させて頂きます。)
↑まだ製品化されていないので2018年がラベル手書きです
今試飲することは日常的に体感できるものではないので、貴重な体験かもしれません。
ただ、僕自身、今の段階で飲んでも、完成品をはっきりとイメージ出来るかといえば出来ません。また美味しいのかと問われた場合、美味しいと言えません。あくまで、完成品の予想をするくらいのものです。
2年前も同じタイミングで、Domaine des Hospices de Beauneのその年のワインを樽から直接試飲ができる機会があり、白ワインは、まだ特徴を掴みやすかったのですが、赤ワインに関しては、渋みや酸がとても強く、もちろん1つ1つ違うというのは分かります。ただ、言葉では言い表せないような違いでした。
単純に美味しいものが飲みたいということであれば、やはり既に市場に出された完成品を飲むことをお勧めします。
そして当日、金曜日は、その試飲会が午後2時からスタートだったので、午前で講義を終えてから、仲の良い台湾人の方と彼の友達と(台湾人3人、韓国人1人と僕)一緒に会場へ向かいました。
いくつか興味深いものもあったので2018、19年のワインも試飲しましたが、
基本的には、2017年よりも前の年のワインを試飲しました。
会場でワインを注いでくれるのも、ワイナリーで働かれている方です。
台湾人の彼は、こちらで既にシャンパーニュの職業学校でワイン醸造を学び、何年かこちらに滞在しており、彼はフランス語をほぼ不自由なく話すことができ、彼のおかげで、ワイナリーの方が特別に持ち込んだワインを試飲出来たり、お勧めのワインを提供していただいたり、面白いお話も聞くことができました。
彼には、車も出しもらっているので本当に感謝しかないですね。
またその日は平日ということもあって、人の数もそこまで多くありませんでした。
会場は村ごとにブースが分かれているのですが、
Vosne-romanée、Chambolle-musigny、Gevrey-chambertinなどといった
有名で高額なワインの集まる村のブースでもスムーズにまわることができました。
出されているワインのことを考えるとチケットが15ユーロというのは、かなりお得かなと思います。(当日券は25ユーロですが、学生とプロフェッショナルは事前にネットで予約をすることで、グラスは持参しなければいけませんが、15ユーロでチケットを買うことができます。)
土日は観光客の方が多いので、なるべく早めにいきたかったのですが、寝坊してしまい11時からの参加になってしまいました。
ただ、寝坊したことによって、偶然の偶然が重なり、こちらのワイン生産者で働かれている日本人の方に会うことができ、色んなお話を聞くことができたので、結果的にはラッキーでした。
その日は土曜日だったのですが、入場してみると、想像通り前日とは比にならないほどの人で、日本人もかなり多くの方が訪れていました。
前日のように、有名なワインが多数集まるブースは空いている時間が少なく、ワイン1杯飲むのにも大変でした。
会場には約5時間ほど滞在し、前日に試飲できなかった分を試飲し、こちらで働かれている知り合いの方が4時ぐらいにボーヌに来られるということだったので、ボーヌの駅で合流してから、中心街の方に向かいました。
中心街に着くと、中心街は人で溢れ、酔っ払いのフランス人にもまあ絡まれました笑。前回のときも1人でワインを飲んでいたら、急に4人のパリから来たフランス人が輪の中に入れてくれて、イベントについて説明をしてくれたり、ワインと食べ物をご馳走になりました。
マシンガントークをされて、途中から分かってなかったりするのですが、フランス人のそんな陽気な部分も結構好きだったりします笑。
街中では、音楽が流れ、フランスの民族衣装を着て踊り、ハーフマラソンも開催され、屋台では、ブルゴーニュの郷土料理、ワインだけでなく、蚤の市のようなこともやっており、街の中は熱気で溢れていました。
ワインも飲みたいなあとは思いましたが、この時期のボーヌの気温はまあ寒いです笑(この日は最高気温が7度で最低気温はマイナス1度でした)。少しワインを飲むのには、寒すぎました。
室内の飲食ブースは、とても広い会場でしたが、入ってしまったら、人の通るスペースがほとんどないほどで、身動きすることも大変なほどだったため、そこに滞在するのは断念しました。
なので、まずはホットワイン(仏: Vin Chaud)で体を少し温めました。その後は、赤ワインと知り合いの方が行ってみたかったお肉屋さん(la charcuterie)で色々とおつまみをを購入し、少し外れの座れる場所を探しいただきました。ただやっぱり室外なのでとても寒くブルブルと震えながら、ワインとおつまみを楽しんでいました。
↑これは2年前の写真ですが、左がvin chaud、右がBœuf bourguignon(ブルゴーニュ名物でビーフシチューのようなもの)
もともと、ボーヌは大きな街ではないですし、普段は閑散としています。ただ、大きなスーパーもあって、レストランやバーなど、小さな街の中にまとまっていて、個人的にはディジョンよりも住みやすい町でした。(娯楽を求めると少々寂しい町ですが笑)
日曜日は、この1番の大きなイベントとして、Domaine des Hospices de Beauneのワインのオークションが開催されます。このイベントは、ボトルではなく樽単位(ボトル約300本分)を競合します。
このオークションでいくらで落札されていくのかによって、
その年のブルゴーニュワインの価格の基準が定められると言われています。
ただ、一般の人ではあまり関係のないイベントで、観光客の方々は、基本的にはパブリックビューイングで会場内の様子を眺めることになります。
僕自身にも寒さを耐えないといけないということと、ディジョンの方で用事があったので、今回は行きませんでした。
前回の滞在時は会場の外で行われていたパブリックビューイングで眺めていたのですが、雰囲気を味わうという意味では、一度行ってみて良かったかなと思います。
2年前、僕が初めての海外生活を始めたのが、このボーヌで、ここに約4か月間滞在しました。
当初は何も分からないまま来た街で、当時のことを思い返すと、良いことも沢山ありましたが、それ以上に辛いことも沢山ありました。
もう一回その頃に戻って同じことを経験しろと言われたら間違いなくノーです
ただ意外と辛いことやトラブルの方が記憶に残っていますし、
今ではそんなことがあったからこそ、いい思い出になっていたりします。
僕が今ここにいるのもその頃があったからです!
今回このようにボーヌを訪れ、街を歩き、街の雰囲気を味わうことで、
そんな2年前の頃の懐かしい記憶が蘇ってきました。
個人的には、前回とは見えるものも異なり、違う視点で見ることができ、新しい発見もあり、とても楽しい時間でした。
これからも新しいものが見えるもの、
更に深いものが見えるようにやっていきたいなと改めて感じました。
今はただ目の前だけを見つめてやっていきます!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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花井俊介
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