『健康で文化的な最低限度の生活』を読んで優しい世界を願う
生活保護と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?
私は、30年間生きてきましたが「生活保護」についてなんとなく知っているような気がしていただけで、つい最近まで中身については何も知りませんでした。
しかし、『健康で文化的な最低限度の生活』を読んだことによって私の視野が広がりました。
『健康で文化的な最低限度の生活』は、生活保護に向き合う新米公務員(ケースワーカー)たちの奮闘を描いたマンガで、2018年にドラマ化もされています。
このマンガには、目を背けてはいけない社会の問題がとても真摯に描かれています。なかなかヘビーな内容があったりして、読んでいて胸が苦しくなったりしますが、知ることによって人は人に優しくなれるのではないかと思えます。
そして、このマンガを読むことによって生きていく上で大切な知識が得られるのでとてもオススメのマンガです!
必ずしも正論が正しいわけではない
生活課に所属された新米ケースワーカーたちは、公務員になれるだけあるので、各々が真面目だったり、熱血だったり、とてもしっかりしていて常識的です。
なので、生活保護について最初はこのような(↓)感じを受けています。
働かないことに対してマイナスなイメージです。
彼らの意見はもちろん間違っていません。正論です。
わたしも然りですが、このように感じる人は多いのではないでしょうか。
ですが、このマンガを通していかに自分の常識や正論で他人の人生を判断するのはとても危うく残酷だということを学びました。
相手の立場になって想像してみる
「相手の立場になって考えてみる」といったアドバイスはよくあると思うんですが、でも実際、経験や知識がないと難しいことだと思うんです。
だって、そもそも知らなければ想像も何もできないじゃないですか。
経験や知識がないからこそ、マンガというツールは最適です!
特に、『健康で文化的な最低限度の生活』は色んなケースが丁寧に描かれているのでとても勉強になります。
新米ケースワーカーたちが色んな人や深刻な事情に触れて、時には間違い、苦悩しながらも成長していく姿があるからこそ、読者はリアルを想像しやすくなり、それこそ少しでも相手の立場を考えられるきっかけになります。
生活保護は最後のセーフティネット
そして、国民として知っておくべきことは、生活保護は決して働かずに楽をして生きたいからというものではないということです。
タイトルにもあるように、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(日本国憲法第25条)です。
国民の権利です。みんなそれぞれに事情があります。
色々な事情を抱えながらも最後の頼み綱として生活保護を申請をしにくるのは、きっと勇気のいる行動のはずです。
それに自分には関係ないと思っていても、人生いつ何が起こるかわかりません。
でも、そんな時にこういう制度があるのを知っていたら、迷わずギリギリな状況になる前に活用できるといいですよね!
そう思たら、生活保護はネガティブなものではなくなって、自分のためにも誰かのためにも優しく寛容になれるのかなと思いました。
本当に奥が深いマンガです!