お節、祈りと感謝
お節とは。
そもそも節句に食べていたものは全てお節だったので、本来は5回、および雑節もいれたらかなりの数である。
昔の人ならできただろうけど。
そんなわけでお正月だけ残ったお節料理。
お節料理は神様にお供えするもので、その年の歳神様をお迎えするために用意するもの。
お供えしたものを身体に取り込み、神様の力をいただく直会として、お節をたべる。お節は平安時代には宮中で行われるような形のものがあったといわれているが、現在のお重に詰める文化は江戸時代の武家文化で確立した。宮中では神様にお供えするものには、かわらけが使われる。
そもそも歳神様をお迎えするってどういうことかといえば、その年一年が健康でよい年となり、五穀豊穣、実り多き一年であるために、山から神を招く。
家族が元気で健康で、食べるものに困りませんように、と祈る。
祈るから、感謝がある。
願いや祈りのないところに感謝は生まれないと私は思っている。
今年一年への感謝を込めて、一年の技術の全てを出し切り、お節を作る。私の場合は、お客様の分も作るので、神様への大感謝祭。
そして、元旦、祈りと共に直会する。
歳時記を伝える仕事をしていると、どうしても宗教の色が強くなってしまうけど、大切なのは感謝すること、なんじゃないかな。
八百万の神がいろんなところにいるという日本っぽい発想が好きだし。
うちのお節は31日出荷。
こうしてたくさんのお客様の寿ぎの食卓にあげていただいていることは、本当に感謝です。