親姉妹の憎悪を一身に受けてきた。
母が倒れたとき、悲しくて面会に行ってもずっと泣いていた。
しかし、父も姉妹も興味がないようだった。
私は「このまま点滴だけでオムツで入院していたら、筋力も頭脳も衰えて死を待つだけになってしまう」と思い、医師や看護師に掛け合って毎日食事介助に通っていた。
同時にリハビリ病棟がある病院への転院を懇願していた。
救急搬送された脳神経外科では、そこまで介護できない。
だから早々にリハビリ病棟がある病院への転院を希望したのだ。
色々葛藤はあったが完全に弱者になった人を見捨てられなかった。
自分がやる!と言い張ってキーパーソンになった姉妹は、何度も病院からかかってくる連絡を無視していたらしい。
しびれを切らせた看護師から私に直接話が来ることが重なった。
「転院の連絡を姉妹さんに何度もかけていますが、連絡がつかないんです。
だから今年中はできなくなってしまいました。もう双方の病院も休暇に入ってしまうので来年中旬以降になってしまいます」と言われた時はショックだった。
年末に一時帰宅が決まった時も姉妹は「車椅子、ネットで検索しておくね」と父に言いながら音信不通になった。
前日に困った父からの電話で慌ててレンタルできる所を探し、借りてきた。
できないならそう言って欲しい。そう言ってくれたら私が引き受けるから。
言ってくれないから周囲が振り回される。
年始に病院に戻った時に近所に住んでいる親姉妹に「母の食事介助に行きたいから一時間だけ私の子どもを見てて欲しい」とお願いしても、けんもほろろだった。
姉妹は猫撫で声で「そんなの行かなくていいのよ。ちゃんと病院の言うこと聞いてお任せしとけばいいの」と言った。
父も「そんな手のかかる子ども連れて行ったら、病院の迷惑になるだろ?行くな!」と言った。
「じゃ私の代わりに食事介助行ってくれる?」と聞いても、「何でそんなことしなきゃいけないんだ!お前は我が強すぎる!」とキレられた。
意味が分からない。心配じゃないの?
死んでもいいの?
寝たきりになってもいいの?
何に誰にそんな気を遣っているの?
姉妹は「花が悪い。花のせいで病院から嫌われて転院できなくなった」と父に言ったらしく、父から「お前のせいだ!」と散々罵られた。
長年続いた私への虐待。
都合の悪いことは全て花が悪い。それは今も健在だった。
転院の日、あまりに罵られ泣いていた。
看護師長が見かねて慰めにきた。ただ泣いている私に何度も理由を聞いた。
「私のせいで転院が遅くなってしまったのでしょうか?」泣きながら言葉を絞り出した。
「えーー!?誰がそんなこと言っているの?
私たちは花さんのおかげでとても助かっていたのよ!?
誰が言ってるの?お父さん?私が言ってあげるわよ!」と言ってくれた。
私はそれ以上何も言えず「大丈夫です。ありがとうございます。お世話になりました」としか言えなかった。
どうせ何を言ってもらっても、あの人たちが改心することはありえないから。
でも今思えば言って貰えば良かったと後悔している。
その後、もっと徹底的な虐待が続いたからだ。
IQが低いことは、何の問題もない。
しかし、そういう人は働くことも出来ず、人付き合いも出来ず、電話も出来ず、一方的に出来る人への憎悪を募らせていく。
私はいつもその憎悪を向けられてきた。
自分はバカでグズでブスだからだ。と思い込んでいた。
だが、今考えたら思い当たる節がある。
私は原家族の中では飛び抜けて勉強ができて、周囲からの人望が高かったことだ。
原家族は「このままでいたら、この子は調子に乗ってしまう」と徹底的に潰しにかかって来たのだ。
気づいたのは私が原家族から離れて十数年経ってからだった。
長い呪縛に苦しんできた。
たった一つのお願い。
私はあなた達の邪魔をしないから、嫌がらせしないで。
私はただ見殺しにできないだけ。
認められたい訳ではない。
私は私で生きていくから勝手に敵認定しないで。