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【治療日記#01】入院から手術まで
手術が決まってから当日を終えて、入院中の間の様子をレポートします。
ちなみに、わたしの場合は緊急性が無かったので、正式な告知の4/23から少し先の6/11が手術日となりました。
* * *
夫と病院に連れ立って精密検査の結果を聞き入った4/23、手術日は大学病院側のスケジュールで10日前に連絡が来ることになるとの話だった。
MRI、CT、血液検査の結果、画像上では卵巣がんの疑いがあるが正式には手術で取ってみないと良性か悪性かわからないとのこと。
医師との面談を終えた後、その日は様々な予約や準備のため、麻酔科、入院予約手続き、看護師との面談など、病院中めぐることになり終わったのが夕方6時を過ぎていた。
でも、その時点でもわたし自身は自分は絶対にがんではないと思っていたのだけど。
だからこんな手続きあまり意味がないと、心のどこかで思っていた。
そのため、心境的に不安はありつつも、医師から手術日の連絡が来るまでは割と普通に過ごしていた。
* * *
翌日以降は、手術の日までできることを全部やろうと思って行動にうつした。
手術に耐える体力をつけるため、お世話になっているトレーナーさんに相談し、普段のトレーニング負荷を増やした。
また、東洋医療的アプローチでの治療や、漢方、サプリなども取り入れて、治療に耐えるだけの習慣を作った。
それが普段やらないような総力戦だったこともあり、5月中、体調はここ最近の中では絶好調だった。
身体に良いことしかやっていないので、どこも調子が悪いところがない、というくらい。
よく眠れ、食事は美味しく、身体はめぐり、どこも痛いところや不調がない。
あえていうなら、生理が来ないということだけ。
* * *
その後5月の末、大学病院から連絡が来て、6/11に手術、入院は9日と言い渡された。
当日はお昼までに来てくださいとのことだったので、9日の日曜日は遅めの朝食をとって、のんびり夫と準備していた。
…ら!
病院から10時半くらいに電話が来た。
「あさくらさんですか、今日は9時に入院ですよね、今どちらですか?」
「え?お昼くらいまでに来るように言われていたのでまだ自宅です…(汗)」
「えええ!!?自宅ですか??カルテには9時に入院となってますが!!」
「すみません。。!!(汗)ではすぐ行きます!」と言いながら何でわたし謝ってるんだろう、、、と思った(笑)
ブランチのお皿もそのままに、夫と車に乗り込んで、夫が車を飛ばして病院に着いた。
今日入院予定と伝え、婦人科病棟へ。
ナースステーションで「先ほどお電話いただいたあさくらです、すみません…!」と伝えると、手続きの書類を渡され、記入した。
奥で看護師の方たち3人ほど、「あ!あさくらさん来たーー!良かったよかった!」と言って拍手してくれた。
日曜日の出勤おつかれさまです、と思いながら、思わず、帽子とって頭下げた。
4人部屋に通されると、今夜はわたし一人とのこと。ラッキー!
看護師さんが親切で、「誰もいないから今日はテレビの音もイヤホンなしでいいですよ」と言ってくれる。
広い部屋で心置きなく入院初日の夜を迎えられた。
初日の昼から絶食で、下剤を飲むことになっていた。
美味しくない下剤のドリンクを少しづつ飲み、腸の中を一気に洗浄する。
これから数日は食事なしだなーと思う。
まだ身体はとても元気なので、点滴を刺されたあとも、点滴のカートみたいの押しながら、病院中くるくるとよく歩いた。
少しでも足腰が弱らないように。
* * *
翌朝は、2人程同室の人が来たので、広い部屋の独り占めもおしまい。
この日は採血や手術のための細々したこと以外やることがほとんどないのと、身体は元気なので、点滴しながらパソコンでひたすら仕事してた。
来月のバナー作ったり、chatworkやメールで関係各所に連絡したり。
先回りしてできる事をやっとく。
手術が終わったらしばらくできないだろうからなーと思って。
食事も出ないし、何となくこのあたりから病人っぽくなってくる。
せめて手術の直前まで格好だけでも病人にならないように、レンタルの病院着は着ないで、お気に入りのChampionのTシャツと、adidasのライン入りジャージという格好でキメていた。
明日は手術かー、と思いながら病室でパソコン仕事していると、主治医が呼びに来た。
「あさくらさん、診察するから準備できたら来てくださいー」
いそいそと診察室へ。
そのまま診察台にまたがって、エコー検診。
終わると主治医の先生が「血液検査の結果、腫瘍マーカーの数値が基準値内まで落ちてました。でも、今見ると腫瘍はあるので明日は予定通り手術します。」とのことだった。
これを聞いてわたしは、「良性に間違いない」と思った。
その夜、夫に電話し、「明日は子宮と卵巣をとるだけのコースになると思う。先生はその場合は2時間で終わると言ってたね。」と伝えた。
「それは良かったね」と言い、夫は励ましの言葉をかけてくれた。
不安な気持ちはあまりなく、その夜は眠ろうとしたけど、人生初の全身麻酔手術、やはりあまり眠れなかった。
翌日、朝9時に夫が来てくれて、医師からわたしは今日の2番目の予定と告げられた。
11時頃呼びに来ます、とのことだったので、談話室で夫とたわいもない話をして待った。
11時半に主治医が呼びに来てくれたので、いざ!ということで、手術室へ。
夫にピースサインを作って笑顔を送ると、夫は片手を上げて見送ってくれた。
がらがらと点滴のカートを押しながら病棟から裏の通路みたいのを通って、手術室へ向かうと、だんだん医療ドラマみたいな世界になってきて鼓動があがった。
「わー、緊張する!」と思った。
主治医が「あさくらさんはどんなお仕事なんですか?」と聞くので、わたしは歩きながら自分の仕事を簡単に説明した。
予定では7月の初旬に3日間、毎年7月と1月に恒例の職業訓練校での講師案件があって、代わりがいないので現場に穴をあけられないと、その仕事を終えてから手術をお願いしたいと伝えていたのだ。
でも、さすがに初診から3ヶ月以上あくのはちょっと、、ということでその願いは却下されてしまった。
ただ、11日の手術を終えて、順調にいけばその仕事には間に合うとも言われていた。
わたし自身も間に合うつもりで考えていた。
(結果的にはその仕事はキャンセルすることになってしまったのだけど。)
主治医は、その仕事に間に合うよう考えてくれていたのだ。
そんな話をしていると、気がついたら手術室に到着。
麻酔科の医師たちが集まっていて、名前と生年月日を確認され、施術台の上に促され、背中からの麻酔を入れられる。
わたしが横にいた医師に「背中の麻酔は痛いですか?」と聞くと、背中に入れるお薬の前に注射をしますが、それは結構痛いと思います。と言った。
「では注射しますね」、と言われたあと、思わず身体に力が入ったけど、全然痛く無かった。
大学病院は本当に若く溌剌とした医師たちが多く、ドラマに出てくる俳優みたいな人ばっかりだった。
(男性も女性もみんなそれなりに若くて美しい。)
大学病院ということもあり、この後も含めて退院まで、様々な場面での処置にも教える側と教えられる側のやりとりというのが発生することになる。
背中で麻酔科医師の声がする。
「あー、うん、そうそう、そこではい、確認して。」
それを聞きながら内心、ちょっとドキドキする。
「まな板の上の鯉」というけれど、「もうここまできたらやるっきゃない!」という場面でも、不安や緊張はあるため、ナーバスになっていた。
「あさくらさん、では背中から麻酔のお薬いれていきますねー。ちょっと変な感じしますよ。」
麻酔の注射のおかげで、背中に何か入ってくる感じはあるけど痛みはいっさいない。
「いつ眠るのかな」、と思っていた。
わたしの身体を押さえてくれていた、若手の実力派女優みたいな雰囲気の女性医師に「このまま眠って、目が覚めたら終わっているんですね?」と聞くと、綺麗な目をにこっとさせて、「はい、そうですよ。目が覚めたら終わっています。」と言った。
わたしが頷くと、頭の後ろから男性医師の声で、「眠ったか確認するためのものをおでこにつけますね、」と言ったのが聞こえた。
その装置?テープ?みたいなものがおでこに乗せられたな、と思った瞬間、わたしの意識は深く落ちていった。
〜次回に続きます。〜
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