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「残された人が編む物語」を読んだ

同じ作家さんの本を固めて読むことがある。次に読む本を探すまでもなく、次から次に目についた本に手を出すからだと思う。
最近は、桂望実さんの本を続けて読んでいる。今日読み終わったのは「残された人が編む物語」

消えてしまった人を探し、亡くなっていたことを知り、その人の最期につながる情報を聞き、自分が知っているその人との記憶を思い出し、「残された人」にとって納得のいく、受け入れやすい、「物語」を構成していくプロセス。必ずしも「真実」だけが必要なわけではなく、もしかしたら「違う」かもしれない、故人は「知ってほしくなかった」かもしれない情報を繋ぎ合わせて、「残された人」「まだ生きている人」が生きていくための物語。
人は物語を求めていて、物語に癒される。
それは「良い人」としての物語だけではなく、「悪い人」であったことを確認することでスッキリすることもある。

もともと「失踪」に興味があって惹かれた一冊でもあった。
やっぱり失踪ってドラマティックな題材なのだろうか。「見えない」「わからない」ということが、想像力を刺激するのかもしれない。


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