【展覧会】小林古径と速水御舟 ─画壇を揺るがした二人の天才─
美術先輩から「素晴らしかった」とメールを頂いたので、暑くなる前に行かねば!と早速、山種美術館へ行って参りました。私の適温は25℃までですので、予報27℃では既に暑いのですけれど。
速水御舟は山種美術館の猫グッズでお馴染みですが、小林古径は私の目が節穴だったのと記憶力が乏しいのとで、今回がお勉強の良い機会でした。
同時代とはいえ11歳差の2人。それでも、歴史画・人物画→写実→渡欧と、驚くほど似た道を通ってきた模様。渡欧後は独自の路線を見つけたようですが、御舟が40歳で早逝したのが残念です。
一緒に旅行したり、お互いを行き来したり、尊敬し合いつつも切磋琢磨していた関係性だったそうです。古径が描いた御舟のデスマスクに表されているのでしょう。
会場内には絵や写生への想い、お互いの印象などの言葉も一緒に展示されています。こんな関係、羨ましいですね。
学芸員の方(多分)がずっとついて説明している方がいて、時々説明が耳に入ってきました(ラッキー)。
「この御舟の《炎舞》を展示するために、第二展示室は設計されました」
そんな風に聞こえました。最高の見え方になるように専用の照明を当てているそうです。さすが、重要文化財。
以前美術館に寄付した時、お礼の招待券に同封されていたのが古径の《果子》のポストカードでした。あのりんご達がいないなと思っていたら、第二展示室にありました。本物にご対面🍏
私が古径で楽しみにしていたのが《清姫》です。お能や歌舞伎でお馴染み道成寺の安珍清姫伝説、の清姫。全8面を一挙公開するのは5年ぶりだそうです。
旅立って、寝所で思わせぶりや勘違いがあり、振り切って熊野詣、しかし追われ……「川岸」は対岸ですよね、こそっと逃げる安珍の姿。そして「鐘巻」は蛇ではなく龍!伝説で一番怖いところです。「入相桜」の美しい桜に少しホッとします。
これらはずっと古径が所持していたそうですが、親しく交流していた創立者の山﨑種二さんの手に渡ったと解説がありました。以前いた会社がヤマタネさんに海外引越をお願いしていて、画家から直接購入することも多かったと聞いたことがあったっけ……と思い出しました。
左上から
小林古径 《清姫》のうち「鐘巻」(部分)
小林古径 《果子》
速水御舟 《天仙果》
右上から
小林古径 《猫》
速水御舟 《牡丹花(墨牡丹)》(部分)
墨牡丹の滲み具合が素晴らしかったです。
《果子》のマスキングテープもありました!ジュエりんごの発送に……?
日傘がないと日射しが強烈でしたが、湿度が低く風があったのでまだ良い方でした。が、美術館内で頭痛がしたので、熱中症の前触れを感じて他の予定は後回しにしてひとまず帰宅することにしました。
そろそろ夏バテが始まるので、山種美術館は秋までお預けです。
(坂道が……あ、バスもありますけど)
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