Willに寄りすぎ
キャリアの世界でよくWill(やりたいこと)/Can(できること)/Must(しなければならないこと)と言いますが、過剰にWillに寄っている気がします。
若い方のカウンセリングをすると「やりたい事なんてない」とよく聞きます。新卒一括採用の仕方を見れば、当たり前でしょう。ほぼポテンシャルのみの採用ですから。
米国人の英会話講師がよく不思議そうに言っていました。
「日本は大学の専攻なんて関係なく、会社探しするよね」
と。そう、職探しではなく会社探しなのですよ。
自己理解や仕事理解が浅いうちに描いた夢は、社会人になって現実を目の当たりにしたら、軌道修正が必要になる人もいると思います。自己理解を深くすれば良いかというわけではなく、仕事に挑戦する中でわかってくる「自己」も多いものです。ですからやみくもに自己理解を深めようとするのもあまりお勧めはできません。
まずは、しなければならないこと(Must)をこなす中で、できること(Can)を増やしていかないと、なかなかやりたいこと(Will)にはたどり着けないものですし、Canが増えればWillが見つかるかもしれないのです。
産業能率大学総合研究所が発表した「2024年度(第35回)新入社員の会社生活調査」結果では、「年功序列」と「成果主義」のどちらを望むかという設問では、「成果主義」51.5%に対し、「年功序列」は48.5%で過去最高となったのだとか。
ほぼ半々ではありますが、年功序列が過去最高というのがなんとも……Mustだけこなしていればそこそこ安泰、というのが良いのでしょうか。
私が新卒入社したのは年功序列の末期で、成果を出しても評価されないのが不満でした。だいたい、男子は高卒でも総合職なのに、女子は総合職で受けて狭き門から入らない限りは一般職でしたから。
成果を認めてもらえたのは、社内で集団受験していたTOEICの点数が準渡航レベルになったことで、海外人事の専任担当にならないか、と声がかかった時ぐらいでしょうか。
これも、英語というCanを増やしたことで、英語を使って仕事をしてみたいなというWillに繋がり、会社がMustとして打診してくれたわけです。
グローバル化にあたり、Mustが先にきて英会話を始める(始めざるを得なかった)人も見てきましたが、やはり自発的にやるのとはモチベーションが違います。
Canを増やすのと同様に大事なことは、「やってみないとわからない。まずはやってみる」と心得ること。やってみたら意外と適性があるかもしれませんよ?
#will #can #must #キャリア #キャリアコンサルタント #産業カウンセラー #ジョブ型 #メンバーシップ型 #自己理解 #仕事理解