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Fanfare from "La Peri"
写真は昨年の桜です。
noteを始めて早々にこんなこと書くのもなんですが、
最近とても悲しくてつらいことが続いておりまして、、笑
なかなか弱音も吐けないでいたら
うまく笑顔もつくれなくなってきて、
気持ちの向きは内側にばかり向いて。
あの時どうしてこうできなかったんだろう、とか
あれをしてたら今はこうだったのかな、とか
何を考えても結局は
「自分が悪い」としか思えなくなっていました。
ところでわたしの家の最寄り駅はけっこうにぎやかなのですが、
たまに占い師のおじさんがポツンと店をかまえてるなとは思っていたんです。
学校で使うような簡素な机といす、
机の上には「易」と書かれた灯り。
ひんぱんにいるわけじゃなく、定期的でもなさそうでしたが、
ほんのたまに「あ、いるなあ」とだけ思うような存在でした。
いつもはそう思って通り過ぎるだけだったんですが、
今日はなぜか目が離せなくなって、
不思議とそのおじさんをじいっと見つめてしまっていました。
そりゃ興味ありそうに見えたのか、笑
占い師のおじさんは手招きをしてきます。
でもわたしは素直に「占ってください」と言えませんでした。
お財布にはキャッシュが2000円しか
入っていなかったのです。。。笑
わたしはおじさんに吸い寄せられるように近づきながら
「すみません、今日お金ないんです。」
また今度見てください、とまで言おうと思ったその時、
「ちがう、お金なんかいらないよ。」
と言ったおじさんは、次にわたしの目を見て
「いいかい、自分を責めちゃいけないよ。
あなた、いやなことあってもすぐに
自分のせい自分のせいって思っちゃうでしょ?
あなた生真面目でそう思っちゃいがちだけど、
根っこのほうでは気が強いんだから。
自分のこと肯定していきなさい。」
って言ったんです。
わたし、なんにも言ってないのに。
おじさんにその言葉を言われて、
どうしてわたしの今の状況分かるの、
どうしてかけてほしい言葉が分かるの、
っていろいろな感情が駆け巡って、
わたしはやっとの思いでありがとうございます、
とだけ言ってその場を離れました。
おじさんは本当にそのことだけ伝えたかったようで、
ついでに占いますなどと勧誘もせずに
わたしを送り出しました。
帰り道、つらいことがあってから
ずっとずっと流せなかった涙を初めて流しました。
社会人にもなって恥ずかしいけど、笑
一応人目につかない道を歩きながら、
泣きじゃくって帰りました。
自分のせい自分のせい、って、
自分を責めることばかりしていたけど、
誰かのちょっとしたひとことで
こんなにも心が緩むなんて。
誰かが「いいんだよ」って言ってくれるだけで、
こんなに世界が違って見えるなんて。
Paul Dukas:Fanfare from "La Peri"
フランスの作曲家、デュカスの作品。
バレエ作品の冒頭に演奏されるファンファーレです。
デュカスといえば、代表作は「魔法使いの弟子」。
世界的に有名なネズミが、師匠の帽子を被って呪文を唱えればホウキの操縦もおてのもの、、
で知られる交響詩です。
でも、それ以外のデュカスの曲といえば?
デュカスは完璧主義者で自己批判的。
自分の作品もその完成度が気に食わず、
大部分を自分の手で処分してしまいます。
バレエ音楽「ラ・ペリ」も彼の手により
処分されようとしましたが、彼の友人に止められ
作品の良さを熱弁されます。
デュカス自身も「なんかこの曲いいかも?」と思い
処分を取り止め、冒頭のファンファーレを追加で作曲し
無事に「ラ・ペリ」は楽曲としての体裁を成すのでした。
誰かが認めてくれるだけで、
見える世界ってこんなに変わる。
自分だけの価値観に沈むだけじゃもったいないなあ、
と思えた曲でした。
ちなみにこの曲、
演奏するバンドのお国柄でもかなり
曲の雰囲気が変わります。
アメリカのキラッキラ華やかな音色、
ドイツの重厚で一矢乱れぬハーモニー、
フランスのタテが合ってないのに(すみません)
信じられないほどの色彩感。
動画の演奏は柔らかさとクリーンさの融合。
お好きな演奏を見つけてみてください。