にわかカープファンのつぶやき
子どもの頃、野球は嫌いだった。
シーズン中はテレビのチャンネル権は父に握られ、変えることは許されず、父がいない日でも見たい番組は野球中継に変わっていた。そして巨人が負けた日、父はすこぶる機嫌が悪くなった。
そんな私の2016年、広島東洋カープの25年ぶりのリーグ優勝が決まるのでは、と予想された9月10日。
未だ野球のルールもよくわかっていない。だが、テレビの前で試合の行方を追っていた。そして、自分の中に確かに広島の血が流れていることを感じたのである。
優勝の瞬間「勝った!」と叫んだ私がいた。
あの日以来、にわかですがと前置きしながらも、堂々とカープファンを名乗っている。今やプロ野球パックに加入し、公示情報をチェックし、キャンプ中継まで見てしまう。
残念ながら、三連覇以降の成績は揮わない。それでも試合の行方は気になる。
にわかの私とは違い、子どもの頃には赤いキャップ帽をかぶっていた夫は、昔の父のように負け試合に機嫌を悪くする。私がそれを嫌うので、試合の流れが怪しくなるとテレビの前から姿を消すようになった。
それでも共通の話題が得られたことで、夫婦の会話は増えた気がする。
英才教育を受けた子どもは全身にカープグッズをまとって、球場へ喜んで行く。
シーズン中の家内安全はカープの勝敗に左右されるといっても過言ではない。
これまでの観戦成績は4戦4勝。来シーズンも勝ち試合を見に行きたいものである。
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