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2024 広島東洋カープのベストゲーム 〜野村祐輔投手の青〜

 いろいろありすぎた今シーズン。ベストゲームは間違いなく大瀬良投手のノーヒッターだと思う。

 ノーノーについてはもう書いているので、次点の試合を考えたが、どれも決め手に欠ける。
 いや、菊池選手のサヨナラや、アドュワ投手の完封、玉村投手の完封未遂、矢野選手のランニングホームラン。どれも見応えのある試合だった。ほかにも、よし! 今年はいける! と何度か思った。

 だが、あの9月の失速に、全ての興奮を奪われてしまったのだ。

 その最後の最後の最終戦。久しぶりにいい試合だった、と心から思えた。そして、この試合は野村 祐輔投手の引退試合でもあった。

 私は野村投手のピーク時の投球をあまり見ていない。彼は間違いなく三連覇の主力であり、それはよく知っているけれど、私が全試合を観戦するようになったときには、すでに先発ローテからは外れていた。

 しかし、年に数回、ふらっと昇格してはしれっと白星を挙げていく彼をかっこいいと思っていた。特に2022年の交流戦。連敗で始まり、今年も厳しいなと思う中、貴重な勝ちに導いてくれた投球はとても頼もしかった。

 野村祐輔投手には青がよく似合う。もちろんカープのチームカラーは赤。野村投手のユニフォーム姿はかっこいい。それでも彼の手にはよく映える青のグラブがある。赤と青のコントラストが、私にとっての野村投手のイメージカラーだ。

 最終戦当日、もちろん先発投手。現役登板のすべてが先発、デビュー以来211試合連続先発登板はNPB記録。こちらも素晴らしい。

 東京ヤクルトの1番バッターは長岡選手。最多安打争いの中、打ってくるだろうと思ってはいたけれど、その後も走って1アウト2塁。併殺にしてくれないのか! と笑ってしまったが、夫は「おい!」と怒っていた。
 けれど、現役最後の打者が令和の三冠王村上選手で、三振に取ったというのはなかなかの幕引きだったのではないかと思う。

 広島出身のヤクルト田口投手が、手渡してくれた花束の包みは青と赤だった。ヤクルトさんもわかっていらっしゃる、ありがたい。

 セレモニーの後、スタジアムを一周する野村投手には、広陵高校、明治大学の先輩後輩がついて歩いて、びっくりするほどたくさんの花束を受け取るのを助けていた。
 赤と青の花束が舞う中、みんな笑顔で、なにより勝って送りだせて、本当によかった。

 最終戦は初ものづくしでもあった。仲田侑仁選手は4番でプロ初先発に、プロ初安打。プロ初出場初先発の内田湘大選手もセンター前ヒット。野村投手の後をうけた滝田一希投手は、プロ初登板で4回1失点でプロ初勝利。高太一投手が2回無失点で初ホールド。高橋昂也投手もプロ初セーブ。

 来シーズンのカープも楽しみだ。

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hanaco_nagai
これまでに、頭の中に浮かんでいたさまざまなテーマを文字に起こしていきます。お心にとまることがあれば幸いです。

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