耽溺 「たんでき」 東京湾を眺望する岩野泡鳴先生の詩碑を訪れる予定でしたが( ; ; )
こんにちは。
文学碑巡りが趣味の男です。
文学碑を探していましたら、京急沿いに発見!!!。
岩野泡鳴先生の詩碑が中央公園の中にあるそうです。
岩野泡鳴先生のことは、名前は知っていましたが、書籍を手に取ったことはありませんでした。大変、罪な男です。
岩野泡鳴先生は、明治から大正にかけて活躍された自然主義作家とのこと。
ではでは、大好きな京急に乗って、横須賀中央へ・・・。
・・・。
・・・。
しかし、詩碑が佇む公園が、リニューアル工事中。がーん( ; ; )
2021年2月26日まで、入れません。ですので、詩碑も見れませんでした。残念。
入れませんでしたので、警備の方と立ち話をし、公園を後にしました。
生粋の文学碑ガールのために、いち早く記事を書きます。少しでも被害者は減るのかな。しかしながら、横須賀はいい街ですので、訪れてもいいかも知れませんね。
また来春、希望を胸に訪れてnoteを更新しようと思います。
先日、文学碑に行こうと心を弾ませている時期に、岩野泡鳴先生の代表作の『耽溺』を読みました。
妻子持ちの作家の男が、芸者である吉彌(本名、菊子)に惚れ込んでゆく、耽溺物語です。作家の男の葛藤や、それを取り巻く家族がポコポコと顔を表し、軽快痛烈な読み応えでした。
『耽溺』とは、一つのことに夢中になって、他を顧みないこと。多く不健全な遊びにおぼれることにいう。 との意味です。
妻子持ちの男が、芸者に惚れ込んでゆくのです。
作中に好きな会話があります。それは、序盤の小説家の男が、吉彌に尋ねるシーンです。
「お前の生まれはどこ?」
「東京」
「東京はどこ?」
「浅草」
「浅草はどこ?」
「あなたしつッこいのね、千束町よ。」
「あ、あの溝溜のような池があるところだらう?」
「おあいにくさま、あんな池は迅にうまつてしまひましたよ。」
「ぢやァ、うまつた跡にぐらつく安借屋が出来た、その二軒目だろう?」
「しどいわ、あなたは」と、ぶつ眞似をして、「はい、これでもうちへ帰えったら、お嬢さんで通せますよ」
「お嬢さん藝者萬歳」と、僕は猪口をあげる真似をした。
とても気に入ってまして、短い会話の中に、作家の男の性格が如実に表れています。うまい!!
不健全な遊び。芸者遊びは、妻子持ちの男ならば、不健全と言えるでしょう。しかし、昨今のメディアや週刊誌の動向を注視しますと、不倫やら、スキャンダルやらに飛びついています。それは、数字が取れるからでしょう。何故数字が取れるのか? みんなが興味があるから。
人間というものは、時代が変われど、そうそう進歩しないものですねえ。
人間の欲望恐るべし。
文学碑を調べるところから、文豪に出会う良いキッカケになりました。文学碑を管理していただく皆様に感謝を申し上げます。
花子出版 倉岡