伊豆で見つけた文豪方の繋がり
こんにちは。
伊豆から帰り、桃源郷から現代に足を踏み込んでしまった少年のような気持ちで、齷齪する時の流れを感じております。いつのまにか新年度が始まり、桜吹雪の下をドキドキしながら歩いている頃でしょう。
さて、伊豆は多くの文学者が訪れました。静養のためであり、療養のためであり・・・。気候が穏やかで、空気が綺麗で、食べ物も美味しく、水が清澄で、と上げ始めるとキリがありませんが、とても良いところです。文学者が訪れる由縁を景色を眺めているだけで感じることが出来ます。
大阪生まれの梶井基次郎先生の文学碑が、中伊豆にもありました。昨年は、大阪の文学碑を訪れました。
中伊豆の文学碑は、伊豆を割って走る国道から外れた道を行くとあります。
民家と思わしき建物の脇を登ります。車で走っていると、見過ごしまて看板を見過ごしてしまいました。
柑橘系の果物が実っているのが、微笑ましいものです。
山の便りお知らせいたします 桜は八重がまだ咲き残ってゐます つつぢが火がついたやうに咲いてきました 石楠花は浄蓮の瀧の方で満開の一株を見ましたが大抵はまだ蕾の紅もさしてゐない位です げんげん畑は掘りかへされて苗代田になりました もう燕が来てその上を飛んでゐます
伊豆湯ヶ島温泉
湯川屋内
梶井基次郎
梶井基次郎先生は、療養のために伊豆湯ヶ島に1年5ヶ月逗留されました。歌碑に刻まれた文字は、川端康成先生の『伊豆の踊子』発行直後に、梶井基次郎先生から川端康成先生宛てに送られた書簡の一節です。
当時の季節感と、お二方の良好な関係が容易に想像することができます。感慨深いものですね。
この近辺は浄蓮の滝があり、温泉がありと大変穏やかです。水の音を聞いていますと、心が洗われます。今回は、まとまった時間が取れませんでしたので、次回はゆっくり過ごして、執筆や読書に耽りたいと思います。
花子出版 倉岡