[読書感想文]黄昏の岸 暁の天
『黄昏の岸 暁の天』
小野不由美
あの幸せだった頃の泰麒・驍宗たちを返して
と言いたくなる、『白銀の墟 玄の月』へつながる大事なお話です。
ひたすら李斎が戴国が傾いていくのを
どうにかしようと奮闘して、陽子の元へ来るお話なのですが。
陽子がまた一段と成長しているところが見えて
かっこよさにキュンとなるお話でもあります。
風の万里 黎明の空の2年後だったりもして
そこで出てきた新キャラたちのその後も描かれているので
そこも面白いポイントです。
ただシリーズの中でも
この世界観と設定に絶望を感じて、
読み進めるのが辛いシーンも。
どんな過酷な状況でも、救いがない状況でも
天は助けてくれず、自分たちで助かるしかないし、
天がいる分制約が増えているのも、
結局のところ今の我々と一緒じゃん?
と感じます。
何かがままならないときに
どんな考え方をすればよいか教えてくれるそんな本なんですが。
実際に何かがままならないときにこの本読んだら救いがなさすぎてつらすぎるので
辛いことが喉元を通り過ぎて少し精神的に落ち着いてから読むべき本でもあると思います。
あと冬に読むもんではないです。
冬の寒さがより一層辛くなります。