[読書感想文]風の万里 黎明の空

『風の万里 黎明の空』
小野不由美

一言でいうと「3人の娘が立派に一皮むけて心がイケメンになる話」です。

その中でも
鈴の人間性がまるで自分のようで。

弱ったときに戒めのように読みたくなる本です。

「我慢してると、我慢してないことが怖くなる。
今がどんなに辛くても、我慢をやめたらもっとひどいことになりそうな気がするんだと思う。」

「でも、辛いこと、なくなったわけじゃないのにね。
辛いから、きっと、なんて自分は不幸なんだろう、って自分を慰めてる。」

まさによく私がなるやつですね。

鈴は親に売られて、いきなり言葉の通じないところに流されて、
やっと言葉が通じた人にひどくされているので
まぁまぁ不幸ではある気もしますが。

それでもやっぱり不幸を”可哀想”ってならずに、
幸せであり続けようとする努力が大事って
考えられる小野先生すごい。

自分の今の状況に文句言おうと思ったら
いくらでも言えるし
(モラ夫が何もしなくて腹立つとか)
(優しくて穏やかな夫が欲しいとか)
(給料があがらんとか)
(生きていくために仕事しないといけないのしんどいとか)

可哀想って思えるし、なんなら思っているけど、

いつもそれを我慢でどうにかしているし
我慢していることで努力している気になっているけど、

この本を読むと
「あーー。ちゃんと幸せになる努力をしよ。」
って建設的に思えます。

十二国記って基本が過酷だから
自分と比べちゃうとまだ自分頑張れるってなります。

この3人娘それぞれ一人ずつ課題があって
読む人や読む時期によって
共感できる人が変わってくると思います。
年を取るたびに何度も読みたくなる本ですね。


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