[読書感想文]月の影 影の海

30代になってからは読んでいなかったのでは?
と思い立ち

久しぶりに十二国記をイチから読み始めました。

『月の影影の海』
小野不由美

「裏切られてもいいんだ。
裏切った相手が卑怯になるだけで、
私のなにが傷つくわけでもない。
裏切って卑怯者になるよりずっといい」

何度読んでも一番心が動くセリフは
陽子のこのセリフです。

多分異世界連れて行かれる系のお話の中で
最も過酷で
最も孤独な主人公(陽子)が悟った瞬間のセリフです。

異世界に連れて行かれて
ここまで状況がつかめず、
放置され、味方おらず、ひたすら孤独と飢餓に苦しむ主人公は
なかなかいない気がします。

レイアースは速攻で状況説明してくれるのに・・・。

30年以上生きてきて
そこまで人に裏切られたような経験もなければ
人を裏切るような経験をしたこともないくせに
このセリフに惹かれるのは

人として器のデカさに
圧倒されるからなんだろうな。
というのが
仕事や育児で自分の器の小ささを実感している私の感想です。

じゃあ自分が陽子のように・・・
とまでは思えないどころか
楽俊のような卑小な私を許し包みこんでくれる相棒がほしいなぁと
甘えた考えをもっているうちは
よくある転生モノのように
転生して十二国記の世界にいっても
速攻で妖魔に喰われそうだなぁと思っています。

転生して行きたくない小説No.1な気がします。


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