カメムシの卵
網戸に白くて丸い小さな粒が十~二十個ほど付いていたので、何だろうと思ってインターネットで調べてみた。
それはカメムシの卵であるあらしかった。
虫の卵だとわかったとたん、気味が悪いので、いてもたってもいられずガムテープで貼り付け取ってビニール袋に入れ、万一袋の中で孵化しても大丈夫なように、その袋は屋外で保管した。(私は虫がとても苦手だ)
すっかりすませてから、もしかしたらさっき取っている時に一粒くらい部屋に落としてしまっていて、部屋の中で孵化してしまったらどうしようという恐怖が頭に浮かんだ。(私はいつもこのような心配ばかりしている)そこで、万が一孵化した場合どのような幼虫が生まれるのかインターネットで検索してみた。
てっきり芋虫の小さいようなのが生まれて、それがカメムシへと成長していくのをイメージしていたが、そのままカメムシが小さくなったようなのが生まれてくるらしかった。
案外可愛らしい姿形だったので、(芋虫には悪いが)少々気まずい思いがした。
翌日の朝も、そのカメムシの卵について考えていた。
母カメムシは、我が家のあの網戸を、子供にとって安全に産まれてこれる環境だと思い、産みつけたのだろうなあと。
しかしそれは見当違いだったわけである。
それとも運が悪かっただけか。
実際その網戸のある窓は、他の窓に比べて閉められている時間が長かった。
秋冬春の間ほとんど閉められていて、夏に暑くなったので、さすがにここも開けようとした私が発見したのだ。
洗濯物に虫がついていないか確認しながら畳む。(昨日干した洗濯物を翌朝に畳むのが習慣)
畳む間カメムシの卵に思いを馳せながら、また虫との戦いの季節が来たなと実感した。
2023.6.29 藤乃
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