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花のベッドでひるねして

よしもとばななさんの小説のタイトルです。

大橋鎮子さんの『すてきなあなたに』に
夢中になっていた私が、
珍しく小説を読みたい気分になった数年前
図書館で偶然見つけました。

お花が好きなので、
とても心惹かれるタイトルでした。

初めて読んだときから今まで、
心の拠り所になっている本のひとつです。


主人公は幹ちゃん
血のつながりはないけれど優しいひとたちに
育てられました。

印象的な登場人物として
おじいちゃんが出てきますが、
なんだか私の祖父に似ているのです。

私の祖父は、
深くてしいんとしたような心を持っていて
他者と比較するとか自慢するとか
そういうことは一切しません。

私に対しても、
いつもすべてを肯定してくれます。

そして好きなことがたくさんあり、
自分で自分を満たすことのできるひとです。

とってもかっこいいです。
そんなおとなになりたいなぁと思います。

そんな祖父が
幹ちゃんのおじいちゃんに重なるのですが、
おじいちゃんの台詞で
何度も何度も読み返しているところがあるので
ご紹介させてください。

欲がないところにだけ、広くて大きな海がある。
海には絶妙なバランスがある。
その中を泳ぎながら、俺は最低限の魚をとって
食べている、ただそれだけのことなんだ。
有名になる必要はないし、
足りているもので生きればいい、
そう決めれば必要なものはそこにあるんだ。

幹のいちばんいいところは、
心からの幸せの価値を知っていることだ。
今のままでいい。
うっとりと花のベッドに寝ころんでいるような
生き方をするんだ。
(略)
いつだってまるで今、そのひるねから
生まれたての気分で起きてきたみたいにな。

よしもとばななさん
『花のベッドでひるねして』より

私はこれを読んでから、
幹ちゃんのおじいちゃんみたいに
足りているもので
生きていきたいと考えるようになりました。

必要なものの中で満足できる、
幸せを感じられる自分でいたい ^^

そして、
心からの幸せの価値・・

自分が幸せと思うものを自分が知っていたら
それでいいのかな、
そうだとしたら、
私は今のままでもいいんじゃないかな、
と思うことができます。


あぁ、ほんとうに大好きな箇所なんです!

いつも近くに置いておきたくて、
小さく印刷して
スマホケースに挟んでしまいました笑

私のお守りみたいなかんじですね。

noteの世界のみなさんのお守りがあれば、
覗いてみたいなぁ!



吉本ばななさんの他の小説なら
『ムーンライト・シャドウ』が好きです。

読んでいないものもまだまだあるので、
いつか必ず制覇するぞ〜!

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