月伽 鳴

不定期ですが、ショートショートだったり、詩だったり、アイデア、呟き、雑談? 思いついたことをここに綴っていけたらいいなと思ってます。

月伽 鳴

不定期ですが、ショートショートだったり、詩だったり、アイデア、呟き、雑談? 思いついたことをここに綴っていけたらいいなと思ってます。

最近の記事

#16.小説 「モノ拾い」〜気が向いたら続きを綴る〜

私には、小さい頃からよくモノを拾ってくる癖があった。 私がまだ保育園に通っていた頃、遠足に行っては形のいい石をよく持って帰り、部屋の前に飾っていた。 友達と遊んでいる時、 「これは伝説の剣だ!」 と言って冒険を繰り広げた時なんかは必ず家に持ち帰って来ては玄関に封印した。 今思えば、伝説の剣なのに大量生産されているんだなーとアホらしく思えるが、 伝説は一つじゃないという事だろう。 学生時代は特にモノを拾った。 教室の隅に落ちている小さくて丸っこいギリギリ使えそうな消しゴム。

    • #15.台本(2〜3分程度) 「作り者の中に感情を」

      役 少女 1人 人形 1人 天の声 少女が担当する 暗転 天の声 いつの頃からなのか、私が生まれた時には既に親はいなかった。ものごころがついた時には私は独りだった。 外の世界に出ても誰もいない。孤独な世界。あるものと言えば一つだけの机と椅子。そして本棚に置かれている少しだけの図鑑と絵本。 明転  舞台の真ん中のみ照明を当てる そして、部屋の隅に置かれている一つの人形だけだった。 目を閉じた人形が座っている 天の声 私はいつの日かこう考えた。 そうだ、この人形にたく

      • #14.詩 「てで。」

        朝起きて 目が覚めるまで、ベッドの上でケータイ弄(いじ) って 仕事に行って 働いて 夕方、帰って来て シャワーを浴びて カーペットの上で、すやすやと寝て 起きて、ご飯を作って それ食べて お菓子も食べて アニメ観て そこらにゴミが転がって でも、そんなことは気にしてなくて... だんだん眠くなってきて 電気を消して 夢を見て――。 朝起きて 目が覚めるまで、ベッドの上でケータイ弄って 仕事に行って 働いて 夜、疲れて帰って来て シャワーを浴びて ソファーの上で転寝(うたた

        • #13.詩 「マガイモノ」

          僕は自分が嫌いだ 思ったことをちゃんと相手に伝えない 嫌われたくないからと自分の言葉を飲み込んで 今日も僕は周りの意見に流される 否定されるのが怖いとか これで喧嘩になりそうだとか また、独りになるのが辛いとか そんな不安が僕の身体の表面を纏わりついて離れない 周りの人からは 「お前って結構いい奴だよな」って 「あなたって本当に優しいね」って そんな、何気ない一言が自分の胸に突き刺さる 違う、違うよ、違うんだ。 僕は、本当は、皆が思っている程そんな出来た人じゃな

          #12.ショートショート 「夢を叶えた壮年」

          ※壮年(そうねん)…20歳頃〜60歳頃と幅広く定義されていることもあるが、ここでは25〜35歳頃の人を指す。 ここに夢を叶えようとする青年がいた。 そこに夢を叶えた壮年がいた。 壮年は言った。 「やめておいた方がいい。  お前が思っているような場所じゃない。  生半可な気持ちならやめておけ。」 青年は怒った。 「俺は本気なんだ。人に夢を見せているあんたがどうしてそんなことを言えるんだ。今の言葉を取り消せ。」 壮年はバカにするわけでもなく、憐れむわけでもなく、ただ叶え

          #12.ショートショート 「夢を叶えた壮年」

          #11.ショートショート 「有象無象」

          自分が話した事に対して みんな私に同意する みんな私の意見に賛成する 自分の意見を言う人が誰一人としていない。 全員が全員、誰かに操られている糸人形。 そんな事を思っていたら、いつしか周りの人間が皆んな同じ顔に見えていた。 私はあなたの意見を聞きたい。 私の意見に反対なら、私の意見と違うのなら、自分はそうは思わないと 自分の言葉を伝えて欲しい。 全員が全員肯定なんてある筈がない。 心の中では何を思っているのか分からない。 私はそれが一番怖い…… 「…それって違うん

          #11.ショートショート 「有象無象」

          #10.小説「糸」

          起 僕には運命の赤い糸が見える。 あれは物心ついた時ぐらいだろうか。お母さんと近くにある山の上まで散歩しに行った時の事だ。 山の上には鳥居が建てられていて、その奥に進むと小さな神社とちょっとした遊具が置いてあった。 鳥居の目の前まで来ると早く遊具で遊びたくて一目散に走りだした。見えるようになったのはその時からだ。 何もない所で何かに躓(つまず)いて転んでしまって僕は大声で泣いた。 「大丈夫?痛かったね~、よしよし。」 そんな事を言いながらお母さんはすぐに駆け寄って僕を

          #10.小説「糸」

          閑話休題

          閑話休題

          #9.歌詞 「鏡よ、鏡。」

          鏡よ、鏡。                                           作詞      月伽 鳴 ある時僕は鏡を見た。 写っていたのはオモチャで遊ぶ子供の頃の僕だった。 線画の記憶が鮮やかな絵の具で塗られていく あの頃の僕は子供ながらに  このままずっと続くと思っていた。 鏡よ、鏡。教えておくれ。 ちゃんと前に歩けているか? 季節が移り変わるように 見ている景色も変わっていった 君は笑顔で手を差し伸べる 僕は首を横に振る 「今、生きているのはこ

          #9.歌詞 「鏡よ、鏡。」

          #8.ショートショート「Back space」

          パソコンを開くと見ない日はない ネットに蔓延る(はびこる) 深い闇 妬み(ねたみ) か嫉み(そねみ)か興味か乗りか。 寄って集って(たかって) 一人の人間に吐き散らす 匿名だから?バレないから? みんなやってるから? バレなければ人を傷つけてもいいの? 何でそんなことを正気で書けるの? 後ろ指を指すこんな世界に嫌気が差して 私はおもむろにBack spaceキーを1回叩いた。 さっきまであった書き込みが消えた。 そんなはずは… もう1回叩く 「やっぱり、また消えた

          #8.ショートショート「Back space」

          #7.歌詞「明日世界が終わるとしたら」

                        明日世界が終わるとしたら                                             作詞 月伽 鳴 〝明日世界が終わるとしたら あなたは何をして過ごしますか?〟 戻る事の出来ない時間 素直に言葉を伝えられていますか? 二人で歩いた帰り道 子供の頃に交わした冗談話 君は いつも決まって最後は 「後悔ないように生きるんだ」って 別れ道まで繋いだ手と手  ほどけて振り合って「また明日。」 二人で歩く帰

          #7.歌詞「明日世界が終わるとしたら」

          #6.ショートショート「待逢わせ」

          目の前には大きな時計台。 後ろにはレンガ造りの大きな駅。 耳をすませば子供たちのはしゃぐ声。 噴水から流れる水は、暖かな日差しでかすかに虹が見える。 そんな絵に描いたような駅前の広場。 私は木漏れ日が気持ちいい青色のベンチに腰を掛けて、ある人を待っている。ここの広場は私の様に待ち合わせ場所に使う人が多い。渋谷のハチ公前よりはすぐに見つけられるからだろう。あそこに比べて人は少ないし目印になるものが多い。ここの雰囲気はすごくいい。ゆるやかに流れるこの時間と空間はいつ来ても変わら

          #6.ショートショート「待逢わせ」

          #5.詩「氷に笑う」

          何処にでもある庭のよくある花壇 そこに、とある一輪の花が咲いていた。 その花は、他に咲いているどの花よりも美しく 見ている者全てを圧倒した 風が吹けば身体を揺らし蝶が共に躍りだす 蜜が溜まれば蜂が集まりその甘い味に酔いしれた 俺がこの世界の中心だ 自分がこの世の神輿であると日毎夜毎悦に浸る ある日そこに一つの花が植えられた その花は他のどの花よりも気高く優雅に咲き誇り 見ている者全てを魅了した 雨が降れば葉陰で虫が休み 夜になると妖精たちがそこに集まり踊り

          #5.詩「氷に笑う」

          #4.ショートショート「ハチミツ味の飴玉」

          私はプロのミュージシャンになりたかった。 あの光輝く憧れの舞台で あのドームを埋め尽くす程の大勢の観客の中で 視線も熱気も歓声も ライブをしたその日の夜は あの月や、あの星の明かりさえも 全部、全部、私が独り占め。 そんな誰もが1度は描く夢を抱いて 今は暗く冷たい路の上で 私は今日も歌を歌う でも、 いつも観客は集まらい。 みんな素通りで私の歌なんか聞いてはくれない。 こんな筈じゃない! 私はもっとできる!! こんな所で燻っている場合じゃないの!! 早くあそこに辿り着

          #4.ショートショート「ハチミツ味の飴玉」

          #3.ショートショート 「神判」

          ここは雲の遥か上。  そこではと或る神が人間界を見下ろしていた。    ここ最近、神は “人間” について考えていた。   人間は 鳥 のように空を飛ぶ事が出来ない。  かと言って 獣 のように速く走ることも出来ない。    だから代わりに  人間には “知恵” という考える力を授けた。  これによって ものを作り、空を飛ぶことも速く走ることも出来るようになった。 だが、 人間はこの力を悪用し、目に余る所業に及んでしまった。   人を殺した 物を盗んだ 嘘を吐いた   神は

          #3.ショートショート 「神判」

          #2.台本(2分程度)「白と黒」

          全身 白い服と黒い服を着ている2人  白 女の人 黒 男の人 ✄-------------------------------------------‐✄ ♪〜陽気な音楽が流れる〜♪ 明転 黒「あぁ~、美味かったな〜ここ!      なぁ、また来ようぜこの店。」 白「うん、行く行くー!」 黒「あっ。そうだ。      今度はたかしの奴も誘おうぜ!」 白「えぇ!?それはいいよ~///      たぶんあの人仕事で忙しいし💦」 黒「そんなん誘ってみなきゃ分か

          #2.台本(2分程度)「白と黒」