河野 花
日記になっていったらいいな、くらいの軽いきもちでのこしてゆく日々のこと
育児中の姿勢の悪さから腰痛が発生し、夫に色々手を打ってもらいつつ久々に他愛もない話でけらけら笑う。 子が寝たあとになにかひとしごとふたしごとできる余力のある日だというのに腰痛が全てを潰しにかかる。 うつぶせ禁止令が出たので、うつぶせにならないよう頭の片隅で気をつけ続けながら寝なければいけない。 夕飯の準備中、EGO-WRAPPIN′のA Love Songがラジオから流れてきてうれしい。元気系じゃない曲こそ彼らの真髄だと、20代に各アルバムを散々聴いて生きていた人間は思
午前中、胃腸が痛い。ここ数日毎日で、こうなると犯人はおそらく大根おろし。 毎朝の納豆ごはん生活を始めたと同時に、納豆ごはんだけだと重たいような気がして大根おろしを足してさわやかに食べているのだけれど、消化にはよくても元々健やかなわたしの腸にはありあまるものがあるらしく毎朝くるしい。明日から大根おろし断ちだ。 気になっていたアニメ、録画し忘れてかなりショックだったのだけど無事配信に辿り着き、サカナクションの新曲を無事聴き、もう親心みたいな気持ちで、一郎くんまたみんなと音楽作っ
ワインや日本酒の機微やペアリングを味わうのがすきだったこと、季節の空気を存分に感じる散歩、気持ちいい音楽を浴びる時間、お香や器や洋服その他身の回りのものを妥協せず自分のすきなものばかりにしてゆくこと、たのしい時間で満ちてゆくきもち。 数年前に生活が変わってから、そういう自分の核を勝手に手放してきた。本当は心の奥から揺れるようなぐっとくる時間のことがだいすきなのに。そういうのはもういいんだ、ふつうの人間になろう、みたいなことを勝手に考えていた。全然よくない。 こどもが寝て10
家事の中でトップクラスに苦手なのが夜ご飯後の後片付けで、手をつけるのにものすごく時間がかかる。今日もすこぶるやる気がでないままだったけれど冷静に洗い物の個数を数えたら15くらいしかなくてなんとかバスターできた。やる気を出すのに時間がかかりすぎて寝落ち後深夜の皿洗いをする日々から脱出。
初めてお披露目する防寒着を子に着せていつもの子育てサロンに向かうと「今日もおしゃれだね」「いつもかわいい格好してるよね」とスタッフから口々にほめられる。それ即ち母がほめられておりほくほくほく。 夕方、しとしと降る雨。濡れた路面を走る車の音と家の前のバス停に停まるバスの音がきになり、もう少しで冬がきてなんの音もしなくなるなと思う。既にすっかり深まった秋は、夕方の空気のひんやり感や曇り空の重たさで冬の気配を主張してくる。
クロスバイクでスーパーまで買い物にいく。米も買わなければいけず、それはリュックに収める算段で向かう。背中に5キロ、エコバッグにもおそらく5キロくらいはあるのでは?という買い物の中身たち。クロスバイクのカゴからしっかりはみ出て、袋を縛ってなんとか安寧を手に入れる。スーパーにそこそこの買い物をしにいくのに最適なのはママチャリである、というのは駐輪場に自転車をとめた時点で薄々勘づいていた。前と後ろに5キロずつプラスされた荷重を運ぶ自転車、重たいことだろうと思いを馳せるけれど、わたし
子、久々の午前中3時間睡眠!びっくりサンキューありがとう。小さなベビーベッドのなかをガコンガコン寝返って寝続けるさまがキュート。 子育てサロンのスタッフさんに母の友休刊を嘆く。かなしみの感情を誰かと共有したかったのでとてもありがたかった。子はたっぷり寝たおかげで夕寝スキップ。ベッド入って5分ですみやかに就寝。 日中ちらりと読んだ日記の本に素直に影響を受けてささやかな日記をほそぼそやる決意。出産してからほんとにやりたかった日記ってきっとこういうことなんだよな。もっとはやくしりた
子が午前中1時間だけのあっさり朝寝で元気りんりんになった一方、母は生理二日目どよ〜んなのですみやかに子育てサロンに駆け込み、その場の空気に紛れて平和に時間をおよぐ。 最近道端に生えている植物を愉快に紹介している本を読んでいるおかげで、通り道のいつもの花壇に咲いている紫の花がやたら目に入る帰路。「むらさきのおはなきれいだね〜」などと、抱っこ紐の中の子にめずらしくはなしかけてみる。本はかんたんに世界を広げてくれる。
誕生日前夜、まもなく赤ちゃんを卒業する我が子を前に気持ちがキュッとなったり、生まれてきてくれてありがとうとごく自然に思ったり。そんな自分になるなんて、一年前は思いもしなかったし、夫が聞いたらきっと驚くだろう。 まいにち一生懸命話しかけるとか、早いうちから英語に触れさせてみるとか、発達を促すなにか働きかけをしてみるとか、そういう「赤ちゃんにとってよい効果がありそうなアクション」の類はなにもしてこなかった。 そういえばうちの子全然笑わないねと夫婦で気づいて不安になった翌日、子の
子育て、思ってたよりずっと、おもしろい。 母親になってあっという間に10ヶ月。うっかり地球に降り立ってしまっただけの生命体のような赤子が少しずつ動くようになり、声を出すようになり、なにかを掴むようになり、ものを食べる、歩く、そのすべての間に数え切れないほどの機微があり。それらを余すことなく記録したかったのに、みごとに指の間から落ちてゆく。あの日に戻って記録したいけれど、駆け抜けてきたこの日々をもう一度やる気力はいまのところない。 せめて現時点でのざっくりとしたあれこれをどうに
朝起きてテレビをつけると、受験にまつわる思い出の街頭インタビューをやっていた。そういえば高校受験のとき、時計忘れたっけ。受験教室から時計が撤去されてるから各自腕時計必須なのに忘れてしまって、結局わたしの後ろの席で試験を受ける友達に「10分経ったら1回、20分経ったら2回足でわたしの椅子をトントンして」とお願いをして時間配分をした。受験当日、帰宅後そのことを母に伝えたら大層驚かれ、そこではじめて自分が相手にかけた迷惑度合いを知った。その後彼女もわたしも合格したことでようやく安堵
今日も洗い忘れた!と毎晩思う我が子のスリーパーを今日は洗った。洗った!でもうんちのついた服と肌着の予洗いはしそびれていることを今思い出す。未来の自分が思い出しますように。 昨日の昼すぎに寝返りをモノにした我が子は夕方には寝返り職人になり、今日も床にベッドに、降ろせばしずかにくるりん。身体を移動させられるようになったこと、視界がかわること、きっとものすごく新鮮で楽しくて堪らないんだろう。瞬く間にくるりん。うつぶせでこちらをみてにこーっと笑う。 寝返り職人になったこと、成長の節
8月某日 昨夜は早めに横になったのに意外と寝付けなくて、寝られてもなんだか目がさめて、朝が来るまでに何度起きただろう。5時に夫が活動を開始したのでなんとなくそこで覚醒したけれど、トータル睡眠時間はそこそこにはなったから元気。のはずが、7時台で既によぼよぼであるし、トーストを焼く気力もなくてとりあえずバナナを食べて朝ドラをみてから横になる。脱力と堕落を自分に許した途端にだるさと疲れとかなしみと、そういう類のかたまりがどっと押し寄せてきて、なんでなん?なんなん?と思いながらただ
久々に会ったいとこが誕生日プレゼントにくれたのはさくらの匂いのするボディーソープだった。 はやる気持ちで蓋を開け、匂いを嗅いでみる。 春のあたたかな日差し、芽吹きの時期のあの空気、桜で有名な公園の景色が頭をよぎる。 数ヶ月後に待つ春、そしてその少し先にある人生の色々に思いを馳せて、なんだか心がむずむずした。いろいろ待ってるぞ、32歳。 (ここから先、超プライベートなおはなし。重大な人生の話とそれに伴う赤裸々記録が綴られているため、鍵代わりの有料設定です!金額に見合う価値はた
天体ショーでたくさんのひとが同じ月をみていた夜、ごはんをたべていたら下腹部痛がやってきて、今月も概ね予定通りに女性のからだの機能がめぐっていた。 夕方、歯医者からの帰り道で欠けてゆく月をのんびり眺めたし、ごはんをたべながらからだはどこかよそよそしくなってきた。みんながみている天体ショーへの参加はもういいや、とソファでのんびりする。 翌朝、食器の片付けと洗濯物を済ませて、約束していたzoomを1時間。インスタントラーメンをすすりながら朝ドラの再放送をみていたら、若者たちの熱い
30歳を目前に控えた冬。すこし時間ができたわたしは編み物をはじめた。 編み方の手順をよく読み、解説のイラストと手元の糸・針を見比べ、指示通りに動かしていく。無心になって手を動かすうち、目の前にそれっぽい糸の連なりが形作られていく。手元には、編み物っぽいことになっているなにかがあっという間に出現した。 文章を理解してイラストをよくみて、その通りにやってみるだけで、遠いところまでこられる編み物の世界。夢中になって、手袋、靴下、スヌード、セーターと次々に挑戦した。いまは、4つめの