実家のゴミ屋敷を片づけてみた
「阪神大震災、死因の9割が家屋家具による圧死」
この事実を知った時は、背筋が凍った。
そう確信した。だってうちの実家、こんなんだったから。
昔から親は片付けがあんまり得意じゃなかった。おまけに、「一度手に入れたモノ」に対する執着が本当にスゴかった。時々、「さすがにこれは捨てたほうがいいんじゃないかな」と私が思うモノについて、やんわりと諭しても
というセリフのオンパレードだった。
かろうじて、親が自分で「さすがに捨てようかな」と思ったモノが出てきても。「捨てる罪悪感」を自分では背負いたくないようだった。だから親は、自分で捨てずに娘の私にこう言うのだった。
でもね、私はいらなかった(笑)
だってそもそも、持ち帰るのが大変なんだもん。それに持ち帰っても私んちには置く場所なんてない。
なんとかベランダとかに一時的に置いたとしても、それを捨てるのは私だ。つまり、「捨てる罪悪感」を結局は私が全て背負うことになる。
すると親は、「そっかぁ。じゃあとっておこう」となるのだった。
結果が、これだ。
いやこれ死ぬだろ。
ベッドの近くには背の高い家具がある。寝てる間に倒れてきたらもう命はない。
それに廊下と階段にはモノ、モノ、モノ。地震が来たらすぐに外に逃げないといけないのに。絶対にこれじゃスムーズに外に出られない。
私は親に、
と面と向かって言ったことはなかった。
親は私とは違う生き物だからだ。「捨てたくない」、つまり「自分はこうしたい」と親が選んだ道に対して、私が口出しをする権利は絶対にない。
だが、親が選んだその道が、命に係わるなら話は別だ。
今のままじゃ絶対に死ぬ。地震が来たらすぐに死んでしまう。
だから、このゴミ屋敷を、本気で片づけた。
結果、こうなった。
▼父の部屋
↓
▼母の部屋
↓
▼物置部屋
↓
いやほんと、頑張った~!!!
この片付けの様子はツイッターで実況中継してたんだけど、すっごくたくさんの人に応援してもらった。おかげで頑張れたよ、ありがとう。
▼実際のツイート
▼終わった瞬間のツイート
いったいどうやって、これほどのゴミ屋敷を片づけたのか?
やり方は実にシンプル。これをやっただけだ。
やること自体はシンプルなんだけど、捨てるのが本当に大変だった。
モノを捨てるのは、一筋縄ではいかなかったのだ。
いやもうマジで聞いてくれ。うちの実家の場合さ、もうすごい量のゴミが出たのよ。
▼イメージこんな感じ
これ捨てるのが、本当に、本当に大変だった。
■地震きたら死ぬから、今すぐ捨てたい
まず、とにかく「すぐ」捨てたかったのね。
だって今日地震来たら、親死ぬよ?ほんとに。だからとにかくすぐ捨てたかった。特に背の高い大型の家具。圧死する危険性があまりに高すぎる。
でも大型の家具って粗大ごみじゃない。粗大ごみって住んでいる市区町村に予約をとらないといけないじゃない。
実際予約をとってみるとわかるんだけど、予約とれるのって結構先なのよ。二週間とか三週間とか。年末年始だと一か月以上先だったりするのよね。
■親の気が変わる
で、たとえば無事に予約がとれたとして、「粗大ごみを出せる日」が二週間先だったとするじゃない。すると、二週間もの間その粗大ごみを実家に置いておくことになる。ガレージとか庭とかにね。
でもそうやって置いておくと、置いてある粗大ごみを見ているうちに親の気が変わっちゃうのよ。
ってなるのよね。
■捨て方調べるだけでもうヘトヘト
あと、これもすっごく大変だった。大掛かりな断捨離してるとさ、
って思うモノがいっぱい出てくるでしょ。それらの処分方法を調べることが、あまりに、大変だった。
実際、うちの実家を断捨離したときもこういうガラクタがいっぱい出てきた。
▼こういうやつ
これ全部捨て方調べるの、キッツイよほんとに(笑)。
1つならいいよ!1つなら!でもこういうガラクタが大量にあるともう大変。一つひとつ捨て方を調べてるだけで、ヘトヘトになっちゃうの。
■粗大ごみ料金があまりに高くて無理
あと極めつけはこれ。粗大ごみが多すぎて、粗大ごみを捨てるための料金がすっごく高くなったこと。
▼ほんとに庭がいっぱいになるくらいの粗大ごみが出た
たとえば、これは私が「自分の汚部屋を片付けた時に出した粗大ごみの一例」なんだけど案外高いのよ、粗大ごみ料金って。
▼たとえばこんな感じ
これ、合計金額いくらだと思う?
高すぎる。
「実家の粗大ごみ出すのに合計これくらいかかるよ」なんて親に言おうもんなら、絶対にこう言われる。
って。
どうしようかなと悩みながらいろいろ調べた結果、「トラックに不用品詰め放題サービス」っていうのがあることを知った。ちょっといろんな会社のサービス見てみたけど、安い所だと軽トラ詰め放題で5,000円からやってくれる。
「あー、これならいけるかも」と思った。だって
なので親にちょっと言ってみた。
「トラック詰め放題ってのがあって、これならスイスイ片付け進むと思うよ。私がお金出すし、これ使ってみない?」って。そしたら予想外に
って即答してもらえた。
後から知ったが、どうも終活を始めた親の同年代の友人たちがこういった詰め放題サービスを使ってたらしい。
この詰め放題サービスって業者さんが家からどんどんゴミを持って行ってくれるしね。高齢者の方だと自分でゴミを外に運ぶの大変だから、終活の時に需要があるみたい。
ただし、実家の場合は「家から庭に出す」作業だけは自分たちでやった。その庭に出したものを、業者さんがどんどんトラックに詰めてもらうという形をとった。
なんでかっていうと、母が
と、業者さんが家に入るのをイヤがったからだ。なので仕方なく「家から庭に出す」作業だけは自分たちでやった。まぁあんなにイヤがるなら仕方がない(笑)。
でもね、おかげで大量のモノを処分できた。
ちょっと本当にスゴかったから聞いて。これ全部捨てたのよ。
こんな感じでもうここに書ききれないほど大量のモノを処分できた。物置とかすごかったよ。未開封のお中元の箱が大量にあったんだもん。
で、これらのモノを全部捨てた結果。ゴミ屋敷だった実家はこうなった。
トラック詰め放題って、すごかったよ。業者さんもプロだからさ、荷台にまるでテトリスみたいにびっしりガラクタを詰めていくの。
最後のほうなんて、「まだいけますよ!」って声かけてくれてさ。小さいガラクタをあまった隙間に詰め込んでくれた。いやほんとにすごかった。
ぐらいならトラック詰め放題なんて全然いらないけど、私んちレベルのゴミ屋敷なら使った方がいい。もう普通にコツコツごみ出してると全然進まないからさ。
ちなみに、トラック詰め放題って「これは回収できません」ってNGなモノもある。生ごみとか、日本刀やガスコンロなどの危険物とかはダメな場合が多いね。
NGなものはその会社のサービスによって違うから、詰め放題するときは業者さんに「コレ詰められます?」って聞いてみてね。
私が実家を片付ける時に調べた「不用品詰め放題サービス比較表」は、備忘録として残してある。いよいよ実家を片付ける時が来たら、見てみてね。
▼比較表はこれ
ちなみに普段私「マジでトラック詰め放題便利よ」ってツイッターでいっぱい言ってるから、フォロワさんからこんなマシュマロもらった。
すっごくテンション高くて笑ってしまった(笑)。片付け、大幅に進んでいるようでほんとによかった!
さて、今回は実家のゴミ屋敷を片づけたワケだけど。
親がこんなんなんだから、娘の私だって当然生粋のゴミ屋敷メーカーだ。私の部屋はこんな有様だった。
とにかくモノ、モノ、モノ。モノだらけ。ただ台所に行くだけなのに床がモノだらけでSASUKEファイナルステージみたいになってた。だからその日台所にたどり着けるかどうかは、自分の体力次第だった。
それを、片付けた。100万円貯めて、本気で汚部屋を脱出したのだ。
結果、こうなった。
すごいでしょ。
とっても部屋がめちゃくちゃかわいく仕上がって大満足。
片付けるためにやったことは、実家を片付ける時にやったことと同じだ。
さて、問題はここから。「お部屋がかわいくなりました」で終わってはもちろんだめだ。
大切なのは、地震で命を落とさないこと。
そのために何をすればいいのか調べていたら、「東京都の防災ホームページ」がめちゃくちゃわかりやすいことに気づいた。
▼このページ
このページに書いてあることを実践すると、こんなに安全な家になった。ちょっと実際のお部屋見せるね。マジで安全になったよ。見てコレ。
▼まずは、「ベッドの周りには何も置かない」を実践
防災ホームページ書いてあった「ベッドの周りには何も置かない」を実践したらこうなった。
寝ている間に家具が転倒したら圧死しちゃうしね。以前はなんと足元に大きな本棚があった。我ながらマジで危険なことしていた。反省。
▼「モノを出しっぱなしにしない」を実践
それからホームページに「モノをだしっぱにしちゃダメ」って書いてあったから、全部このクローゼットに収納するようにした。
ちゃんと収納していたら、部屋がいつもモデルルームみたいになって超気分がいい。だから今では、リモコンやティッシュすらテーブルに置かなくなった。
▼床には一切何も置かない
また「床にはモノがない状態にしましょうね」って書いてあったからそれを実践してみた。
床にモノがあると、いざ地震来た時につまづいて転倒しちゃうしね。軽く転ぶぐらいならいいんだけど、転んだせいで大出血したり骨折して動けなくなったりしたら命にかかわる。
だから絶対に、床にはモノを置かない。
▼部屋の出入り口や廊下には家具を置かない
それから、
って書いてあった。だから外に出るまでの経路には一切家具を置かないようにした。
まぁ玄関にはこのスツールを置いちゃったんだけど、これくらいならいいでしょ多分。
さて、こうやって家をちゃんと安全にしたら、最後にやることがある。
家に用意してある防災リュックを「すぐにもっていける場所」に置くことだ。
▼私が用意している防災リュック
みんなさ、防災リュックどこに置いてる?
防災リュックってね、玄関に置くのが基本なんだって。
なぜなら、たとえば押し入れの奥深くに入れちゃうと、いざ避難ってときにパっと出せないからだそう。
私は玄関に一番近い収納に、防災リュックを置いている。これならすぐパっと持ち出して外に避難できるから。
防災グッズもちゃんと用意!
そしてこの防災リュックの中には、防災グッズを入れてある。ツイッターでも紹介したけど、東日本大震災で被災した私が
って心底思うグッズは特にコレだ。
▼また、真夏の場合はこういったモノも入れておくと安心
それ以外にも、
など全部記事でまとめてあるから、チェックリストとして使ってみてね。
▼まとめた記事はこれ
さて、ここまで読んでくれてありがとうね!
みんなも、命を守るために実家とか自分ちを片づけてみてね。
大変だけど、やる価値はあるよ。
ここまで書いたことをまとめると、こんな感じ。
▼ゴミ屋敷を片付けるためにやったこと
▼片付けた後、「安全な家にするために」やったこと
実家も自分の家も、すっきり片付いた「安全な」おうちにしてみてね~!!!
本気で片付ける時に見てみてね
▼不用品トラック詰め放題サービス比較表
▼防災リュックの作り方
あとがき
うちの実家さ、月に一度だけ何でも好きなものを晩御飯にできる
という制度があったんだよね。
本当に何でもOKだった。「コアラのマーチ」のイチゴ味を2箱も丼に入れて、牛乳かけてコンフレークみたいにして食べたりしてもOKなのよ。
これは母が考え出した制度なんだけど、母のこういうオチャメなところは本当に好き。
だから一人暮らししている今でも、月に一度「いけない晩御飯」を楽しんでる。こないだは「カラムーチョとビール」にしたよ。
ちょっとお財布にゆとりがあるときなんて、ひとり「ビールの飲み比べ大会」も開催している。見てこれ最高でしょ。
部屋を片付けるとさ、こうやって自分をいたわることができるのよね。
なんて言葉があるけど、実際自分にご褒美あげると「え、こんなに幸せな気持ちになるん!?」ってビックリしたよ(笑)。もっと早く知りたかったな、これ。
みんなも、片付け終わったら自分にご褒美あげてね。
全部片付いてからじゃなくていいと思う。一か所かな。「棚の一段だけ」とか「ベッドの上だけ」とか。
たった一か所だけでいいから片づけたらもうそれ大きな一歩じゃん。大きな一歩を踏み出せた自分に何か買ってあげるといいよ。
買うものは、「モノ」だとちょっと危ないかな。モノ増えるとまた部屋散らかっちゃうからね。だから、自分へのご褒美は消えモノがいい。スイーツとか入浴剤とかハンドクリームとかアロマとかね。
それじゃ、私はそろそろ晩御飯の買い出しに行ってくる~!今日はコロッケにしようかな。近所の商店街のコロッケがおいしいのよ。で、ハイボールも飲んじゃおっと。
じゃ、またね!
おわりに
あ、あとねぇ、片付け進める中で「うっわコレど~しても捨てられない!」ってモノ出てきたら、このnoteをぜひとも読んでみてほしい。
片付けを始めたころ。少しずつ、モノが捨てられるようになってきた。
一年使ってない食器は捨てた。
似合わない服も捨てた。
サビた調理器具も捨てた。
ぼろぼろの靴も捨てた。
カビの生えた衣装ケースも捨てた。
書類も家電の説明書も薬もコスメも全部、捨てた。
数年ぶりに床が見えた。
モノがすごく減って毎日が快適になってきた。
やっとだ。やっと、ここまで、来たのに。
それなのに。
小さいころからずっと一緒に寝ていたぬいぐるみが捨てられなかった。
昔趣味だったモノがどうしても捨てられなかった。
大好きだったばあちゃんが編んだセーターが捨てられなかった。
大量の家族の写真が捨てられなかった。
コツコツ集めたガチャガチャのコレクションがどうしても捨てられなかった。
400冊を超える大量の本が捨てられなかった。
初任給で奮発して買ったカシミヤのマフラーが捨てられなかった。
このような、「どうしても捨てられない」と思っていた思い出の品を手放したときのことをエッセイにした。この有料note「モノを捨てる勇気がないあなたへ」には、うれしいことにすごくたくさんの
という感想が届いている。一部抜粋するね。
こんなにうれしい感想が届いている。書いてよかった。送ってくれた人、ありがとうね。
また、コメント欄にも続々と感想が届いてます。
▼一部抜粋
ちなみにやる気を出すために思い切って購入した!って方もいて、とってもうれしかった。
こんな言葉をもらえて本当に私もうれしい。感想を読んだ時は朝布団の中にいたんだけど、「書いてよかった」って思いながら布団を握りしめたよ。ありがとうね。
さてこの有料noteは「どうしてもモノが捨てられない」というあなたのためだけに書いた。このnoteを読めば、
がはっきりとわかる。「もういい加減、ちゃんとした部屋で暮らしたい」。そんな人だけぜひとも読んでほしい。
じゃ、またね!
華より