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人魚のねがいごと。

お湯を沸かす。
途中で火を止めて、
篝火花にあげる。

天氣の都合で、
日が当たらなかった数日。
すっかり元氣をなくしてしまった。

だから。
あたためた水を、あげる。

太陽に代わるものではなくても。

これがわたしの愛であることを、
彼らは知っている。

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戻りたい過去は、ない。
でも、想い出したいことなら、ある。


追いかけたい人は、いない。
でも、傍にいてほしい人なら、いる。


萎れた篝火花が、ふたつ、落ちた。


この星では。
森羅万象。
有象無象。


未来永劫はないことを、
ちゃんと知っている。


命には制限がある。
どんなに愛しても、この制限だけは、
キャンセルできない。


どんなに愛を注いだところで、
篝火花の命の炎も、
いつかは消えてしまう。


『次の瞬間には、
死ぬかもしれない』って、
使い古した言葉は、
明晰さと真理でできている。


だから、いただいた命を、
今この瞬間を、
生きることは、
義務だ。


そして、
本当に本当に大事なものを、
後回しにしてはいけない。


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人は毎日、
3,000回の選択を行うという。


何を選択したら、今日を、
生ききったことになるのか。


何を選択したら、その顔に、
笑顔をもたらせるのか。


何を選択したら、
そのこころに、
触れられるのか。


21世紀の邂逅に。
たぐり寄せた光に。
わたしができることって、
なんだろう。


緻密な設計でつくった頭とからだ。
乗り込んだ、この星で。
この時代を、場所を、選んで、
今、ここにいることの意味を、
問う。


ずっと。問い続けて…


夜空に、
濃紺の涙を落とす人魚。


いつか雨となって、
辿り着くことのない大地を、
潤せばいいと。
ただ、願う。


あたたかい泪なら、
花もあたためられようか。


魂のトリセツは、
こういうときこそ、
見なきゃいけないのに、
探しても、みつからない。


いつもの、
さざ波のような耳鳴りが、
ここ数日ざわついている。
眠りに落ちる前。
わたしの耳もとで囁くのは、
誰なんだろう。


もしも天使の囁きならば、
深い眠りに一緒に落ちて。


わたしの、言葉の海で、
一緒に時を超えて。
返歌を捧いでほしい。


あなたの歩く、明日に。


どうか、光と。


愛を。

flag *** hana


今日もありがとうございます♡

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