人生は加点式
親から一般常識や暗黙の了解を教えて貰えなかった私。
親の代わりに、しばしば夫から高僧の御説法の如きありがたいお言葉を賜り、目からウロコがはがれます。
私は今まで全力で人に尽くしてきました。
というのも、人と同じレベルで何かをするためにはそうしないと追いつかないから。
人に何かをしてあげたあとは決まって疲れきって床に倒れ込んでいました。
みんなと同じようにやってるのに、私だけなんで上手くいかないんだろう?
体が動かなくて自分のこともままならない、というと、親は変な目で私を見ます。
体力がないなら運動して体力をつけろ、と何度も言われましたが、せいぜい庭に出て日光浴をするので限界です。
夫の言葉を聞いて思ったのは、私のリソースって人より格段に少ないんだな、ということ。
人のリソースを100だとすると、私には20くらいしかありません。
そもそも人になにかしてあげられるほど、私に余力はなかったんだね……と夫に言うと「そうだよ」と言われてしまいました。
「だから何もしなくていいって言ってるんでしょ?」
実家では役に立つことを求められており、役に立てなければ価値がないとさえ思っていました。
夫は、役に立とうがたつまいが、そんなことはどうでもいい、人に自分の価値を決めさせるなと言います。
また、実家ではできなかったことは指摘されても、できたことはスルーされます。
何も出来ない、と嘆く私に夫は言いました。
てっきり減点方式だと思ってビクビクしていましたが、加点式という視点もあることを知りました。
出来ないことについ目が行きがちですが、夫はできたことを数えなさい、そっちの方が建設的だ。と。
昔、まだ付き合いがそんなに長くなかった頃、なんだか宗教の教祖様みたいだなと感じたことを思い出します。
またありがたいお言葉を(私が物を知らなすぎてしかたなく)賜った時、お伝えします。
私みたいに生きづらい人の勇気になれば。